アンティークバイヤーの松崎由貴子さんはスウェーデンで生まれ、12年前に移住した。11月下旬頃から各地でクリスマスマーケットが開かれていて、松崎さんは見て回ると、コケモモをベースに、赤ワインにスパイスなどを加えて温めた「グロッグ」を勧められた。スウェーデンでは人々の暮らしのそばに妖精がいると信じられ、農場に幸福をもたらす存在とされたのがトムテ。19世紀、クリスマス文化が持ち込まれると、サンタと合わさった。松崎さんは工芸作家のインガ・ブリットさん宅を訪い、作品や制作工程を拝見した。天井から吊るされたリースはフライングリースと呼ばれ、いわば自然のシャンデリア。スウェーデン全土の森、湿った場所に自生するスギゴケを使っているという。