長野県と岐阜県にかけて広がる乗鞍岳。溶岩流によって谷が埋められ、なだらかな斜面が広がり林が広がる。9月、林の多くを占めるハイマツに松ぼっくりが熟し、そのうえをホシガラスが飛び回る。ホシガラスはハイマツの松ぼっくりの種を器用に割って食べる。登山道ではライチョウがホシガラスが食べた松ぼっくりをついばむ。飛ぶことが難しいライチョウにとってはホシガラスの食べた松ぼっくりがあることで、これにありつける。またカヤクグリはハイマツの林で多くの虫を捕まえる。稜線近くではイワヒバリが巣立って間もない子供にエサを与え、子育てに励む。また斜面にはツキノワグマが植物の葉などを求めて登ってくる。冬眠を控える彼らには松ぼっくりなどが貴重なエサになる。また同様に高山植物の実も栄養源となる。
9月中旬、朝晩は冷え込み季節が一気に進む。越冬地に向かうノスリが確認できるこの季節、ホシガラスは松ぼっくりの種を割らずに飲み込んでいく。喉に種を溜め込み、春先に備え種を貯める。1羽のホシガラスは5万粒の種を蓄えるという。さらに貯めこんだ種が発芽することもあり、ハイマツの繁殖のためにはホシガラスは欠かせない。ハイマツの生い茂る乗鞍岳には生き物の営みがあった。
9月中旬、朝晩は冷え込み季節が一気に進む。越冬地に向かうノスリが確認できるこの季節、ホシガラスは松ぼっくりの種を割らずに飲み込んでいく。喉に種を溜め込み、春先に備え種を貯める。1羽のホシガラスは5万粒の種を蓄えるという。さらに貯めこんだ種が発芽することもあり、ハイマツの繁殖のためにはホシガラスは欠かせない。ハイマツの生い茂る乗鞍岳には生き物の営みがあった。