経済アナリスト・馬渕磨理子さんの解説。ガソリン価格の値下がりについて馬渕さんは「今、為替が円高に振れていて、これから米国の利下げが始まればエネルギーの輸入コストは下がるとみられている。ただし、ガソリン価格の値下がりが続くかどうかは不透明で大きな期待は出来ない。産油国は、原油の生産量を少なくして市場に出回る量を調整することで原油価格を保ち利益を得ている。2020年には1バレル20ドル台だったが、現在は70ドル台で推移している。こうした原油価格の高止まりに対して政府が石油元売り会社に補助金を支給している。この補助金の抑制がなければ、先月末の時点でガソリンは1リットル200円を超えていた」などと話した。また馬渕さんは「中東情勢の悪化は原油価格の急騰につながる。ハマスの最高指導者の殺害を受けて、イランは近くイスラエルに報復攻撃を行う可能性が伝えられ、地政学的リスクが高まっている。だからこそ再生可能エネルギーから原発を含めてエネルギーの国内確保は重要である。ガソリンの値上がりは物流コストの上昇につながるので、全ての商品・サービスの価格に影響してくる」などと話した。物価高の賃上げについて馬渕さんは「6月の毎月勤労統計によると、実質賃金は前の年の同じ時期に比べてプラス1.1%と27カ月ぶりにプラスとなった。これはボーナスなど一時金がプラス7.7%と上振れた一時的な側面がある。加えて足元で急速に為替や株が動いた。何においても急激な変動は好ましくない。先月、金利の引き上げがあったが政策を変更する際には丁寧な説明が国民に求められる」などと話した。