まずは東京ディズニーランドのクリスマスの新パレード「トイズ・ワンダラス・クリスマス！」ができるまでに密着した。10年ぶりに一新されたトイズ・ワンダラス・クリスマス！はサンタクロースのおもちゃ工場から生み出されたおもちゃたちとディズニーの仲間たちが楽しく遊ぶパレードで、着想からお披露目までに約2年半かかっているという。まず新しいパレードを作るにあたってショーディレクターが陣頭指揮を採り、パレードのコンセプトを決めて完成までの指揮も採る。コンセプトは内容を文章で細かくまとめた企画構成案を作るところから始め、ディズニー社の承認を受けた後に様々な部門に共有されてパレード作りがスタートする。パレードで使用するフロートはアートディレクターが共有された構成企画案を元にショーディレクターと相談しながらデザインし、今回のパレードでは春頃からフロートの製作を始めている。こだわりは大きくてもおもちゃらしく見えるという点で、飛行機は車輪を大きくして本体を小さくするなどしてデフォルメしておもちゃ感を出すなどこだわりが詰まっている。フロートの製作と同時並行でパレードのダンサーたちのコスチューム作りも行われていて、ショーディレクターからの構成案を元にデザイナーが衣装をデザインする。出来上がったデザインを実際の形にするのがコスチュームコーディネーターで、デザインの再現性だけでなくダンサーたちが動くことを想定して機能性も損なわないよう配慮して仕立てられる。ダンサーたちの振り付けはショーディレクターが振付師にダンスのイメージを伝え、それを元に振り付けが出来き、ダンサーたちの稽古が始まる。また稽古中はショーディレクターがダンサーたちの動きを確認し、動きに無理がある部分を修正したり、表情やお芝居なども指示していく。本番まで1ヶ月を切った開園前の早朝には完成したフロートを導入したサウンドチェックを行い、フロートから流れる音楽と園内のスピーカーから流れる2種類の音楽バランスを確認した。一方この時期になるとショーやパレードを鑑賞するゲストを案内するパークゲストサービスキャストにも情報が共有され、パレードで特定のキャラクターが見えやすい位置など細かな情報を把握してゲストたちに伝える仕事などを行う。パークゲストサービスキャストはパレードお披露目前の全体リハーサルの際にフロートの停止位置が分かる写真を撮り、この写真を元にゲストをスムーズに案内するための資料を作成する。