日本経済新聞の4日付の9面。アメリカの民主主義が後退している様子を歴史的な視点から解説した記事。ハーバード大学のロバート・パットナム名誉教授に取材した。彼はアメリカでは経済、政治、社会、文化こういう健全度を示す総合指標がすべて上昇局面から下降局面に転じていると話している。逆U字カーブこそがアメリカの問題の本質であって、トランプ大統領の台頭を招いた原因でもあるという。スウェーデンのVーDem研究所が毎年自由な民主主義の程度を示す指数を算出している。アメリカの2025年の最新の数値を見ると、1965年以来の低水準を記録している。2025年1月に大統領に返り咲いたトランプ氏が三権分立や表現の自由などをおびやかしているという。こうした状況でパットナム氏が最も心配しているのはトランプ氏自身よりも、この指導者を呼び込んだアメリカの根深い問題だという。パットナムさんによると、今のアメリカは19世紀末の「金ぴか時代」だという。南北戦争後の急速な経済発展の恩恵を享受した時代でもあるが、反面、拝金主義や俗物精神が行き渡って弊害が深刻化し、その結果、格差や独占、腐敗が問題になった時代。アメリカではその後、様々な問題の解決を目指す「革新主義運動」が芽生えて、20世紀の始めにセオドア・ルーズベルト大統領らのもとで開花する。パットナムさんは3つの特徴「若い中間層の参加で勢いづいたこと」「改革の動きが市政・州政から国政レベルに波及」「モラルの回復も目指す運動だったこと」に注目している。
