広大な扇状地で目を引くのは真っ白な水のない川。「水無川」と呼ばれる扇状地特有の光景である。こうした川では雨が降っても水がすぐに消えてしまう。石や砂でできた扇状地は地面に隙間が多いため、水がすぐに染み込んでしまう。水のない川を10キロほど下流へ進むと小川が現れた。扇状地の端のこのあたりで山からの地下水が地上に湧き出したのである。こうした小川では水草が育ち「バイカモ」は春から夏に可憐な白い花を咲かせる。水草の下に魚が隠れており「イトヨ」は繁殖期を迎え、オスのお腹は赤みを帯びていた。お腹が少し膨らんでいるのがメスでまもなく水草の根元に卵を生む。夏の夕暮れには淡く光を放つ生き物が現れた。それは「ヘイケボタル」で飛びながら光るのはオスで恋の相手を探していた。
