パリ近郊にあるパリ五輪の選手村には、野外に空気清浄機が設置されている。近くを幹線道路が走り、交通量が多い場所であることから、大気汚染が深刻だ。選手村が建設される地域は、大気中のPM2.5の平均値が健康に影響を及ぼすレベルになっている。空気清浄機を手掛けたベンチャー企業は、観光事業で使用している観光客向けの気球に薬剤を塗ることで、太陽光で付着したすすなどの粒子に反応が起こり、気球がきれいに保たれることを発見した。気球による実験でできた試作機は、空気が装置を通過する際、イオンを放出して、汚れた粒子に付着させ、電気を帯びた粒子を静電気で吸着して、装置内の特殊な板で汚れを回収する仕組みだ。実用化は世界初とされる野外空気清浄機。パリ市内の小学校に試験導入され、通過する空気の95%が浄化されているという。選手村には、7台設置され、1台あたり1時間に、50メートルプール60杯分の空気の浄化が期待できるという。野外空気清浄機は、フランスで特許を取得したという。会社は、オリンピックをきっかけに、装置を広めて、世界中の空気をきれいにしていきたいとしている。