再びヒグマと遭遇した3人はその場で寝転がり死んだマネでやり過ごすことにした。ヒグマがリーダーの方へ向かうと2人はリーダーの土井さんとは逆方向へ逃げた。7月27日午後1時ごろ、工事現場に辿り着いた2人は駐在所まで送ってもらった。先に下山した大学生からヒグマの報告はあったが乱気流で救助隊は出動できずにいた。7月29日、救助隊が出動し土井さんと木村さんが遺体で発見された。翌日には吉田さんも遺体で発見された。学生5人が3日間も追われ続けた最大の原因は、ヒグマからリュックを取り戻してしまったこと。ヒグマは自分のものと認識したものを奪われると執拗に取り戻そうとする習性がある。他のグループに犠牲者が出なかった理由は荷物を置いて逃げたことが明暗を分けた要因を考えられる。また背中を向けて逃走したことで追いかける習性を刺激してしまったことも犠牲になった要因。