パキスタン北部の山岳地帯は美しい山々の美しい自然で知られ多くの観光客が訪れる。氷河から溶け出した水は飲水や農業に使われ暮らしを支えてきた。しかし、その氷河からの水が今人々の脅威になっている。300人ほどが暮らしていた村は6年前に起きた洪水で水の底に沈んだ。地元当局は氷河湖が決壊し洪水を起こしたとみている。パキスタンの山岳地帯を含むヒマラヤ山脈周辺では平均気温が10年あたり0.28度上昇したという研究もあり、氷河湖が増え洪水リスクが高まっているという。パキスタンでは氷河湖が3000あると言われ、決壊のリスクを把握できないケースも少なくないという。地元当局はUNDPと協力して氷河湖の水量の変化などを観測する装置を設置、決壊のリスクを感知すると自動的に避難を呼びかける仕組みを約200か所に導入する計画だという。避難訓練は去年だけで30回以上行われ、日頃から身の回りのものをまとめておくよう指導しているという。