アメリカ・シカゴから中継。今回の民主党大会で一番大きかったのは、分断を乗り越えて、反トランプ氏でカマラハリス氏の下で民主党が一つにまとまるといったことを印象づけられた点。演説でハリス副大統領は「すべての米国国民のための大統領になる」と強調して、幅広い支持を訴えた。そして経済政策では中間層の底上げ、力強い中間層を築くということに加え、人工妊娠中絶の権利を巡ってはバイデン氏よりも力強く訴えた。全体的にはハリス氏の独自色というものはあまり見られず、トランプ氏を批判することで自らをアピールするというような形を取った。党大会では、オバマ元大統領やヒラリークリントン元国務長官ら民主党の重鎮らが連日駆けつけて演説を行い、ハリス副大統領の下でまとまる民主党というものもアピールすることには成功した形。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を巡っては、ハリス副大統領は「イスラエルの自衛する能力を保証する」と強調をしており、「今こそ人質の解放と停戦を実現すべきときだ」と訴えた。ただ今回、親パレスチナの代議員らからは「党大会で演説をする機会を与えるように」と求める声があったが、そうした機会は与えられなかった。激戦州の一つのミシガン州は、米国の中でも最もアラブ系の人口が多く、その動向というものが勝敗に影響を与えるとされている。副大統領候補・ティムウォルズ氏は親しみやすいキャラクターで激戦州の労働者層というのを取り込むことに期待が集まっている。