イタリアも日本と同じように災害が非常に多い国で災害が起こるたびに避難所の問題と向き合って改善してきた。現地を取材。イタリアでは多くの場合ボランティアが避難所の設置や運営を担う。次々と組み立てられていくのが避難者のためのテント。ベッドが置かれており隣との間隔も取られている。トイレとシャワーが備え付けられたコンテナもあってお湯も使える。停電や断水に備え、給水車や発電機も持ち込まれていた。多くの地震に見舞われてきたイタリア。過去には救援の遅れが問題になったこともあった。その反省から、国を挙げて避難所の環境や運営の方法を改善してきた。テントやトイレなど必要な資材を国が中心となって全国の拠点に整備。すぐに持ち出せる状態で保管している。さらに、ボランティアの養成と組織化も進めた。ふだんの仕事や専門性を生かしたプロも多くいる。イタリアにはこうしたボランティアが全国に、およそ30万人いる。移動費などの実費は国が負担。社員が出動した企業には国から金銭的な補助もある。キッチンで700人分の料理をしていたのは本業がシェフなど訓練を受けた人たち。避難した人が食事をするための場所ではスタッフが人の間を行き交いながら配膳していた。