- 出演者
- 栗原望 油井秀樹 酒井美帆
オープニング映像とオープニングの挨拶。
きょうの主な内容を紹介。「スポットライト」は災害時に人々を守る避難所について。先進地はイタリア。過去の災害を教訓に運営され、日本の専門家も注目している。先週、現地を取材した。
1か月半にわたって投票が行われたインドの総選挙。各地で与党支持者等が勝利を祝った。勝利宣言をしたモディ首相は支持者を前に「われわれが3度目の政権を担うことは間違いない」と宣言。選挙結果を受け、きょう午後には与党連合の協議が行われモディ首相の3期目を支持する方針を確認するとみられ、地元メディアは今月8日には先制式が行われる見通しだと伝えた。一方、出口調査の予想に反して大きく議席を伸ばした野党連合。最大野党・国民会議派のラフル・ガンジー氏は「国民がモディ政権を求めていないことが選挙で明らかになった」と述べた。政権樹立を目指し、連立与党側の少数政党の取り込みを図ってくるものとみられる。
今回の選挙結果を国民はどう受け止めているのか聞くと「モディ氏には次の選挙に向けて今後5年間一生懸命働いてもらう必要があると思う」、「もっと経済対策に注力してほしい」などの声があった。専門家は「物価の高騰や失業といった問題が市民生活に影響している。現政権が課題への対応を怠り、何もしてくれないという気持ちが広がった」と話す。新政権の発足に向けた今後の見通しについては「与党連合の一部の政党が離党するかもしれないというので注視している。引き続き連立を組む政党がどの程度いるかかもなく分かるだろう」と話す。こうした中、株価にも動きがあった。インドのムンバイにある株式市場の代表的な株価指数・SENSEXのきのうの終値は一昨日の終値より5.74%下落した。おとといにはモディ首相率いる与党連合の大幅なリードを予想した出口調査の発表を受け、持続的な経済成長への期待が広がり株価指数は上昇していたが、一転して下落した形。イギリス・BBCは市場関係者の声として、「インフラ・製造業への投資継続について不透明なのが懸念される」などと伝えている。
インドの総選挙では与党が大幅に議席を減らしたものの、モディ首相は勝利宣言を行った。これについてのインド国内での受け止めについてニューデリー支局・山本さんは「インドの大手紙の朝刊で総選挙の結果を伝える紙面の見出しには『ハットトリッキー』と書かれている。3度目の勝利『ハットトリック』と意表を突かれたことを意味する『トリッキー』をかけ合わせた言葉で、地元メディアも『予想外の結果』と伝えている。とりわけ驚きを持って受け止められているのが与党がこれまで大票田としていた”ヒンディーベルト”と呼ばれるヒンディ語主体の西部・北部などの州で大幅に議席を減らしたこと。ヒンドゥー教徒寄りの政策を推し進めるモディ首相の政治手法が少数派のイスラム教徒などとの宗教間の対立を煽っているとの批判が上がる中、ヒンドゥー教徒の支持者の間でも与党離れが進んだ形。モディ首相が政権を維持するには与党側で結束できるかが最大の焦点。与党・インド人民党は新政権発足に向け、与党連合の協議を始めているが、野党連合による連立交渉がどこまで進むのか見通せない状況。また、与党連合として政権を維持できた場合でもインド人民党が単独過半数を獲得できなかったことで、連立を組む他の政党との協力を迫られる場面も予想され、これまで強いリーダーシップを発揮してきたモディ首相にとって難しい政権運営を強いられそう」と伝えた。
投票まで1か月を切ったイギリスの総選挙について。初めて行われたテレビ討論会では与党保守党を率いるスナク首相と最大野党・労働党のスターマー党首が激しい論戦戦を繰り広げた。最新の支持率では最大野党・労働党が与党の保守党を大きくリード、14年ぶりの政権交代が現実味を帯びている。4日の初のテレビ討論会、スナク首相が就任後にインフレ率を下げたとアピール、スターマー党首は自らが裕福な家庭の出身ではないと強調した上で「首相は国民の状況をよく理解していない」などと述べ、増税の対象は富裕層はエネルギー企業などに限ると説明した。また不法入国者をルワンダに強制移送する政策について、スナク首相は総選挙後に最初の便が出発するとし、スターマー党首は予算を密航業者の摘発に振り向ける考えを示した。ユーガブによる視聴者を対象にした調査では勝者はスナク首相51%、スターマー党首49%。2回目のテレビ討論会は今月26日となっている。またユーガブは3日、イギリス国内の6万にん近い有権者を対象にした世論調査に基づく議席予測を発表。議会下院650議席のうち労働党が422議席と前回の総選挙で獲得した202議席の倍以上に勢力を伸ばし単独過半数を獲得すると分析している。保守党は140議席と前回の365議席から半分以下に減り、主要閣僚も議席を失うと分析している。
イギリス議会前から中継。生活を脅かす問題となっているのは公的医療制度を利用する際の待ち時間の長さ。スナク首相は対策として医師の育成に予算を投じているとし、その上でスターマー党首に対し「首相になりたいんだったらどう解決するのか示せ」と詰め寄る場面もあった。スターマー党首は冒頭手が震え顔は終始高潮するなど、毎週行われている党首討論では見せたことがないような緊張の色が見えた。討論ではスナク首相の妻が裕福な家庭の出身であることや、10年間に渡る保守党政権のもとで国民がいかに苦しんできたのかを強調し「自分こそがこうした不満を汲み取って変革をもたらせる」と共感を広げようとしていた。また保守党の巻き返しについては、現時点では難しいと思う、保守党にとってさらに都合が悪いことに、支持基盤の保守層まで切り崩されるおそれが出ているとのこと。立候補者の届け出は7日に締め切られるが今後労働党陣営によほど大きな失敗がなければ政権交代の流れを変えるのは難しい情勢。
ロシアのラブロフ外相がアフリカ各国を歴訪、スイスで行われる国際会議について「コンゴ共和国も中国・インド・ブラジルなどと同様にロシアが参加しない会議には意味がないとしている」と述べ、友好国との連携を確認しウクライナ・欧米諸国に対抗しようとしている。
ロシアの激しい攻撃に晒されているウクライナ、イギリスの経済誌「エコノミスト」はアメリカが今年4月に発表したウクライナへの新たな軍事支援のうち、ミサイル「ATACMS」が供与された意義を強調。「こうした武器で南部クリミアへの攻撃を続けロシア側に圧力を強めていくことが有効」としている。
今年1月の能登半島地震の被災地では、今も多くの人が避難所での生活を余儀なくされている。「災害関連死」も報告されており、避難所の改善が改めて課題となっている。こうしたなか、日本の専門家が避難所の先進地として注目されるのがイタリア。イタリア中部アマトリーチェは、8年前にM6.0の地震で239人が犠牲となった。地震から4日後、テントが設営されて温かい料理まで振る舞われていたという。大規模な訓練があると聞き、会場へ向かった。テントや照明機材など避難所で使われる資材が大量に運び込まれた。この日行われるのは、実際の設備を使った1000人規模の訓練。イタリアでは多くの場合、ボランティア団体が避難所の設置や運営を担う。停電や断水の場合、給水車や発電機を持ち込んで対応している。ここに日本の専門家が注目する仕組みがある。活動するのは訓練を受けた人達で、中には普段の仕事や専門性を生かしたプロもいる。イタリアにはこうしたボランティアが全国に約30万人いるという。移動費など実費を国が負担して、社員が出動した企業には国が金銭的な補助をしている。1980年のイルピニア地震で2700人が犠牲となり、自治体やボランティア団体の統率が取れず救援が遅れた。その反省から、災害対応を担う「市民保護局」を設立し、避難所運営の仕組みを見直した。必要な資材を全国の拠点に備蓄しすぐに持ち出せる状態で保管している。さらに、災害時に消防や軍など各組織が、いつまでになにをするべきか定めたガイドラインがある。ボランティアは、技術を習得して避難者の生活環境を経験する。一際目をひいたのは、食事を作るための設備。ボランティアが700人分の夕食を料理していた。調理用のコンテナを見せてもらうと、オーブンやスライサー・冷蔵庫が備え付けられていた。午後8時、食堂ではスタッフが配膳していた。被災した人たちが長い列に並ばなくて済むように工夫されていた。高齢者や宗教上の理由で食べられない人にも対応しているとのこと。食事のあとは、ボランティアの人たちと一緒のテントで宿泊した。
取材で印象に残ったのは「ボランティアのみなさんが口にした“ベネッセレ”という言葉。精神的な健康や快適さを意味する言葉で、それを目指している。」と話した。鍵を握っているのは、日本とは違うボランティア団体だという。大きなボランティア団体があり、すぐにボランティアが被災地に派遣されて備蓄拠点から送られてくる支援物資で、設営など一気に取り掛かることができる。ボランティアに対する国民の信頼も大きいとのこと。イタリアから日本が学べる点として、避難者がどんな場所にしていくのか基本の考え方だという。国際医療福祉大学大学院の石井美恵子教授は「イタリアでは災害による苦しみはすぐに取り除くことはできないが、それ以外のストレスからは被災者を守ろうという考え方が広く共有されている。」とコメントしていることが紹介された。
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高さ186メートル。黄河の上で綱渡りしてるのは、中国人・シン・カイリンさん。中国・山西省の崖からスタートして陝西省まで570メートルほど。緊張の31分間で渡りきった。
フランス東部に500人ほどが集まり、「プレッツェル」を形作り。世界記録を更新した。これはボランティア活動で集まった25万円余りは貧しい人たちに食事を提供する「心のレストラン」という活動に寄付されるとのこと。
国連はヨルダン川西岸でも死者500人超えたと発表。ニューヨークの国連本部はOCHAのマーティン・グリフィス事務次長が悪化の一途をたどるガザ地区の情勢について悔しさと憤りをあらわにした。退任にともない記者会見をしたとその様子を映像で伝えた。事務次長はパレスチナとウクライナなどの人道状況を訴え、シリアなどにも交際社会の関心は低下しているが状況は悪化していると警告したというコメントを油井さんは伝えた。また言及された国連憲章について説明をつけ加えた。
画面下のQRを紹介し、明日は「欧州議会選挙」ヨーロッパでいまと明日の番組宣伝をし、意見を募ったあとエンディング。
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