インドの総選挙では与党が大幅に議席を減らしたものの、モディ首相は勝利宣言を行った。これについてのインド国内での受け止めについてニューデリー支局・山本さんは「インドの大手紙の朝刊で総選挙の結果を伝える紙面の見出しには『ハットトリッキー』と書かれている。3度目の勝利『ハットトリック』と意表を突かれたことを意味する『トリッキー』をかけ合わせた言葉で、地元メディアも『予想外の結果』と伝えている。とりわけ驚きを持って受け止められているのが与党がこれまで大票田としていた”ヒンディーベルト”と呼ばれるヒンディ語主体の西部・北部などの州で大幅に議席を減らしたこと。ヒンドゥー教徒寄りの政策を推し進めるモディ首相の政治手法が少数派のイスラム教徒などとの宗教間の対立を煽っているとの批判が上がる中、ヒンドゥー教徒の支持者の間でも与党離れが進んだ形。モディ首相が政権を維持するには与党側で結束できるかが最大の焦点。与党・インド人民党は新政権発足に向け、与党連合の協議を始めているが、野党連合による連立交渉がどこまで進むのか見通せない状況。また、与党連合として政権を維持できた場合でもインド人民党が単独過半数を獲得できなかったことで、連立を組む他の政党との協力を迫られる場面も予想され、これまで強いリーダーシップを発揮してきたモディ首相にとって難しい政権運営を強いられそう」と伝えた。