2024年7月9日放送 4:05 - 4:15 NHK総合

視点・論点
インド・モディ政権3期目をどう見るか

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(視点・論点)
インド・モディ政権3期目をどう見るか

3期目を発足させたインドのモディ政権とヒンドゥー至上主義の危険性について中溝教授が語る。インド総選挙でモディ首相率いるインド人民党は303議席から240議席に減らし、過半数を大きく割り込んだ。与党連合全体では293議席を獲得し政権維持には成功したが、今後の政権運営にあたっては与党連合内の調整が今まで以上に求められる。後退の要因は野党の結束、ヒンドゥー至上主義に対する反発などが挙げられる。

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ヒンドゥー至上主義とは、インドをヒンドゥー民族から構成されるヒンドゥー国家にすることを目指す思想と運動。この母体となったのが民族義勇団であり、現在の政権党であるインド人民党は民族義勇団の政治部門とみなされている。モディ首相は生え抜きのヒンドゥー至上主義者でヒンドゥー国家実現のために強権的な政治を行ってきた。ガンジーや初代首相ネルーが目指したのは世俗主義国家としてのインドであり、民族義勇団が目指すヒンドゥー国家としてのインドとは対局に立つ。世俗主義国家としてのインドは、印パ分離独立の経験から宗教の違いによって殺されることのない国家を作ることを約束したのが原点。民族義勇団出身者がガンジーを暗殺すると、民族義勇団・インド人民党はインド政治において長らくタブー視されてきた。インド人民党は2014年にモディ首相のもとで単独過半数を獲得して以降、本格的にヒンドゥー国家の建設に着手することになった。

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インド人民党ジャワハルラール・ネルーナレンドラ・モディマハトマ・ガンディー世界ヒンドゥー協会民族義勇団

ヒンドゥー国家としてのインドは、イスラム教徒やキリスト教徒はインドに生まれてもヒンドゥーではないとされる。モディ政権が成立すると自警団によるイスラム教徒の殺害事件が急増。政権は十分な取り締まりを行わず、2期目にはヒンドゥー国家実現に向けた制度化が着々と進められた。3期目にモディ政権が最重要課題として挙げるのは統一明法典の制定。しかし、今回の選挙で統一明法典制定のゆくえは不透明になっている。宗教対立がこれ以上激化しないよう、まずは何が起こっているかを知ることが肝心となる。

キーワード
インド人民党ジャム・カシミール州(インド)ナレンドラ・モディ民族義勇団
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