アメリカ・サウスカロライナ州で重機などの部品を製造する工場では、安川電機のロボットによる溶接作業が行われていた。半年ほど前に安川電機のロボットを導入し、生産性が約3割向上したという。安川電機は日本のファナックと共に産業用ロボット「世界4強」の一角を占め、世界シェア10%。これまでは中国でのビジネスが業績を牽引してきたが、景気減速や現地メーカーとの競争激化で防戦を迫られる中、今アメリカ市場に力を入れている。中西部・ウィスコンシン州に新たな拠点を設け、モーターの出力を制御するインバーターの製造がすでに始まっていた。さらに工場を新設し、日本から輸出していた産業用ロボットの生産を2027年度から開始するという。安川電機の小川昌寛社長は「変化し始めている自動車産業に対し、従来のようなものづくりでは応えられない」などと話した。ニーズの変化を最前線で捉え、幅広い産業への売り込みを狙う。製造業にアメリカ国内への回帰を呼びかけるトランプ政権の方針は、追い風になると見ている。