キリンホールディングスは2019年にファンケルに対しおよそ1300億円を出資して筆頭株主となり現在、株式のおよそ33%を保有している。関係者によると今回キリンはファンケルに対してTOBを実施し、残りの株式を取得して年内にも完全子会社化を目指す方針を固めたことが分かった。今回のTOBによる買収額は2000億円規模になるものとみられる。健康志向の高まりを背景に主力のビール類の市場が伸び悩む中、キリンは去年8月に健康食品を手がけるオーストラリアの企業を買収するなど健康関連の事業を強化していて、ファンケルを完全子会社化することで事業を加速するねらいがあるものとみられる。キリンはきょうの取締役会でこうした方針を正式に決定し、発表する見通し。