EUは加盟国が6か月交代で議長国を務め、7月1日から年末まではハンガリーの任期となっている。議長国の役割は加盟国の合意の形成に向けた調整などだが、ハンガリーのオルバン首相はロシア寄りの姿勢を示しウクライナ支援に反対するなどしてきたため、役割を担えるのか疑問視する見方が出ている。オルバン首相は反EUの姿勢も示し、ヨーロッパの極右や右派の政党との連携も進め米国のトランプ前大統領になぞらえた「ヨーロッパを再び偉大に」という議長国としてのスローガンを掲げている。オルバン首相は1日、“ヨーロッパを再び偉大にする順番が回ってきたことをみんなが幸せに感じている”とSNSに投稿したほか、英国の経済紙「フィナンシャルタイムズ」に寄稿して“EUによる行きすぎた気候変動対策が産業を弱体化させ、競争力を低下させている”などと主張し、修正が必要だと訴えた。こうした言動を繰り返すオルバン首相について、ハンガリーが議長国としてEUの政策運営に混乱を生じさせるとの警戒感が広がっている。