この後、天皇皇后両陛下を迎えた歓迎式典が予定されているバッキンガム宮殿。陛下は前日、テムズ川の氾濫を防ぐ水門「テムズバリア」を視察された。この川における水運は、留学時代の研究テーマでもあった。その後、日英の友好団体が主催する歓迎レセプションに出席された。この会場に招かれたのが、ロンドン市内でお好み焼き店・おかんを経営するプリーストマン玄子さんだ。偶然訪英中だった母親と一緒に出席した。陛下は、集まった関係者と親しげに言葉を交わされた。レセプション終了後、プリーストマン玄子さんは、足元から震えるくらいドキドキした、26年ロンドンにいてよかったなどと話した。両陛下は25日、歓迎式典やパレードに臨まれる。馬車は、バッキンガム宮殿に続く大通り「ザ・マル」を進む。昭和天皇が戦後初めて英国を訪問された1971年には、エリザベス女王と昭和天皇を乗せた馬車が同じ場所を走っていた。4年後には、エリザベス女王が都内をパレードした。チャールズ国王は5回来日し、ダイアナ元妃と一緒にパレードしている。上皇さまは、戦後間もない1953年に英国を訪問され、エリザベス女王から英国王室が主催する競馬「ロイヤルアスコット」のロイヤルボックスに招待されたという。天皇陛下も英国留学中に2度参加された。天皇陛下は留学中に英国王室から受けたおもてなしについて、「家族の一員であるかのような心温まるおもてなしを頂いた」などと語られている。エリザベス女王が休暇を過ごすバルモラル城では、女王の夫・フィリップ殿下の運転でドライブし、チャールズ国王と釣りもされたという。留学中には、公式行事にも参加され、1985年には、バルコニーで、ヘンリー王子を抱いたダイアナ元妃の隣に立たれていた。留学中は、ヨーロッパの国々も訪れ、冬にはヨーロッパの王室の方々とスキーを楽しまれた。ノルウェーでは、王室のメンバーに招かれ、フィヨルドの船旅をしたり、ベルギーでは、鉄道の旅したりしていた。天皇皇后両陛下はこのあとバッキンガム宮殿での晩餐会に臨まれる。雅子さまは長時間のフライトなどで少し疲れが出ていて、きょうの公式行事に向け体調を整えられている。結婚後、雅子さまが初めて出席された晩餐会は、東京サミット。席は、ロシア・エリツィン元大統領と米国・クリントン元大統領の間だった。美智子さまはゴールドの装いで、雅子さまは白とグリーンのドレスだった。中東歴訪では、肌の露出を抑えた裾の長いドレスなどを着用されていた。オーストラリアで出席された船の上の晩餐会では、淡いピンクのツーピースだった。今回の晩餐会でのコーディーネートや陛下のお言葉が注目される。