ソロモン諸島のソガバレ氏は、2019年に首相に就任以降、台湾と断交して中国と外交関係を締結し、2020年には中国と安全保障協定を結んだ。先日、ソロモン諸島で総選挙が行われ、ソガバレ氏は首相の座を降りることになった。ソロモン諸島のホニアラでは、中国が無償で建設したスタジアムやスポーツ施設が去年完成したばかりだった。一方、ソロモン諸島で最も多くの人が暮らす、台湾と結びつきの強いマライタ島では、インフラ整備が進んでいない。2021年、政府の対応に不満を持ったマライタ島の人たちの抗議行動がエスカレートし、中華街が焼き討ちに遭った。総選挙では、中国寄りの政策を進めてきた与党が50議席のうち15議席と、第1党を守ったものの選挙前の議席を大きく割り込んだ。中国の支援を受けても、経済が良くならない国民の不満が溜まった結果となる。与党は少数政党や無所属を取り込むことで過半数を維持する形となった。新たに首相に就任したのは外務・貿易相を務めたマネレ氏だった。ソロモン諸島で取材を続けるジャーナリストは「マネレ氏は中国ともアメリカなどの西側諸国ともそれぞれの利害関係を考えて付き合っていけるようにするだろう」などと話している。