南シナ海の領有権問題をめぐって中国と対立を深めるフィリピン政府は米国との協力を経済面でも深めようとビジネスフォーラムを首都マニラで開催した。ビジネスフォーラムには両国の経済関係者ら約700人が参加。フィリピンのマルコス大統領は開催の意義を強調した。そのうえで先月日本も含めた3カ国の首脳会合で合意したルソン島の鉄道や港などの整備などを進めるルソン経済回廊と呼ぶプロジェクトについて民間企業に投資を呼び掛けた。フィリピンにとって中国は最大の貿易相手国だが南シナ海の領有権問題で対立を踏まえるほか、過去にバナナの輸出で対抗措置とみられる検疫強化を受けたことがありこうした経済的威圧への警戒感がある。このため、米国との協力を安全保障分野に加え経済分野でも深めることで中国への依存度を下げたい狙いがあるものとみられる。