日本の株式市場がトランプ大統領の発言に振り回されている。カナダとメキシコに対するトランプ関税によって昨日の日経平均株価は1000円を超える大幅な値下げとなったが、一転、この関税の発動を1か月延期するという話が伝わり今朝は一時600円以上値を上げた。関税というカードを使って譲歩を引き出すというやり方。脅迫外交などという声も出ている。一見、突飛なことのように見えるが、これがトランプならではのディール取引をするための周到な戦略だと日米関係に精通する外交関係者は話している。そのディールの生々しいやり取りも明らかになっている。メキシコに25%の関税を突き付けたトランプ大統領とメキシコのシェインバウム大統領が協議をした。土壇場で関税の発動は回避されて1か月の延期が決まったが、この交渉によってメキシコがアメリカとの国境に1万人の兵士を派遣することとアメリカで問題になっている合成麻薬フェンタニルの流入を防止するという合意を取り付けたとトランプ氏は胸を張った。結局1か月後にはまた関税交渉に追われそう。外交関係者は2期目のトランプ政権はトランプ氏個人や閣僚の個性だけではなくて政策や組織を熟知するチームで運営している。1期目よりも手ごわいという認識を示している。メキシコやカナダへの追加の関税はギリギリで回避されたが中国への追加関税はきょう4日に発動した。これに対して中国は即座に追加関税をやり返す対抗措置をとっており、近く行われる可能性があるトランプ氏と習近平主席との首脳会談でどんなディールが行われるか緊張感が高まっている。日本時間の土曜日未明には石破総理大臣がアメリカに出向いてトランプ大統領と初の首脳会談に臨む。石破総理の周辺は日本の企業がどれだけの投資や雇用をアメリカで生み出しているかを示したアメリカの地図(安倍元総理の時にも作ったもの)を用意し、日本のアメリカへの投資額は世界一だととにかく分かりやすく伝えるとしている。