25日に決選投票を迎えるブラジル大統領選挙。治安対策や、アメリカトランプ政権との関係をめぐり、この2人が争っている。左派で現職のルーラ大統領と、右派のフラビオ・ボルソナロ上院議員。フラビオ氏の父親はボルソナロ前大統領。前回の選挙で敗れた後、クーデターを企てたなどとして、有罪判決を受けた。18日には、テレビ討論会も開かれたが、お互いを揶揄しあう中傷合戦の様相に。格差是正の重要性を訴える左派のルーラ氏、治安対策の強化を訴える右派のフラビオ氏。1回目の投票では過半数に届く候補者がおらず、決戦投票となったが、得票率ではフラビオ氏がルーラ氏を上回った。事前の世論調査では、ルーラ氏が優勢と見られていたが、これを覆す結果に現地では驚きが広がった。1回目の投票でリードした右派のフラビオ氏。決選投票に向け、治安対策の強化を強調し、支持固めを図っている。決選投票まで残り1週間。サンパウロ中心部では、フラビオ氏を支持する人たちの集会が開かれている。サンパウロ中心のパウリスタ大通り、フラビオ氏を支持しようと通りを埋め尽くした人たちは、左派政権への不信感や治安への不安を口にした。ルーラ氏への批判票を取り込み、勝利を目指すフラビオ氏。頼りにしているのが、SNSで強い発信力を持つ若手政治家の存在。その一人、ルーカス・パバナトさん。市会議員から4日の連邦議会選挙に立候補すると、サンパウロ州で過去最多300万票余を集め初当選した。パバナトさんのSNSのフォロワーは、600万人以上。左派勢力を批判する短い動画を多数投稿し、治安対策の強化などを訴え、フラビオ氏への投票を呼びかけている。フラビオ氏は、こうした若手政治家の発信力を追い風にリードを広げようとしている。一方、遅れをとった現職のルーラ大統領。逆転の鍵とみているのが、約20%にのぼる1回目の投票を棄権した人たち。票の掘り起こしへ、フラビオ氏に遅れをとっていたと指摘されるSNS戦略を強化。若者や高齢者など、投票を棄権した人が多い層へ声を届けようと、自撮りスタイルの動画などを次々と投稿している他、フォロワーの多い左派の政治家のSNSにも頻繁に出演している。さらに各地で大規模な集会を開催。ボルソナロ前大規模の新型コロナウイルスへの対応は失敗だったと強調し、その息子フラビオ氏に政権を任せることはできないと訴えている。またルーラ氏が距離を取ってきたアメリカのトランプ政権にフラビオ氏が接近する姿勢を批判。特にトランプ政権が主導する治安や麻薬対策の枠組み、アメリカ大陸への盾への参加は、アメリカへの従属だと訴えている。ルーラ氏の支持者は、フラビオ氏が当選すれば、政権が進めてきた社会的弱者を支援する政策が後退しかねないと危機感を強めている。
