11月の米国大統領選で政権奪還を目指す共和党の全国大会が開幕した。2日前に銃撃を受けたばかりのトランプ前大統領が出席し、健在ぶりをアピールした。演説などはしなかったが、時折右手を突き上げたり手を振ったりして、出席者の歓声に応えるなどしていて、銃撃に屈しない強さをアピールしていた。これに先立ち、大会の中ではトランプ氏を正式に党の候補者として指名することを決めたほか、不法移民を強制送還することなどを盛り込み、トランプ氏の意向を全面的に反映した綱領を採択している。またトランプ氏と大統領選を共に戦う副大統領候補には39歳のJDバンス上院議員が指名された。バンス氏はトランプ氏の掲げる米国ファーストの政策を強く支持しているほか、トランプ氏の裁判を傍聴するなどして忠誠心を示している。共和党大会の開会に先立ち、トランプ氏が政府の機密文書を違法に持ち出したとして起訴された事件で、フロリダ州の連邦地裁が起訴を棄却した。検察側は上訴する見通しだが、大統領選までに裁判が開かれる見込みはなくなったとみられ、返り咲きを目指すトランプ氏にとって追い風となっている。