南米で過激な発言などから“アルゼンチンのトランプ”と呼ばれているミレイ大統領が就任から1年を迎えた。米国・トランプ次期大統領が大統領選に勝利後、初めて面会した外国の首脳がミレイ大統領だった。トランプ次期大統領は「アルゼンチンを再び偉大にしている」と述べた。経済学者だったミレイ大統領は熱狂的な演説などで人気を得て、去年12月に大統領に就任。取り組んだのが極度のインフレなど課題を抱える経済政策。公共支出を徹底的に削減し、財政収支は2024年上半期、16年ぶりに黒字になり、国際機関から一定の評価を得た。一方で国民生活にはしわ寄せが。電気、水道といった公共サービスの大幅な補助金カットに加え、賃金も伸びず貧困率は50%を超えた。路上生活者に配給を行うNGOによると配給者は日増しに増加。行政サービスの削減で多くの公共事業も廃止の瀬戸際に立たされていて、無料で治療が受けられる公立の精神病院は競売にかけられようとしている。第一メンタルヘルスセンター・グスターボスラトボルスキー氏は「金がある人だけ医療にアクセスでき、金がなければ自分で解決しろと言われているようなもの」と述べた。国の再建に向け歳出カットの大なたを振るうミレイ大統領に国民の理解は続くのか。