インターネットの登場は誰もが情報の発信者になることを可能にした。インターネットの力で草の根からの民主主義が実現できるのではないかと期待された。大企業が芸術家の団体に不当な圧力をかけると瞬く間にその情報が拡散し、世界中でその企業の製品のボイコット運動が展開。結果、市民が企業の思惑を退けた。しかしその後、人々のインターネットの接し方は少しずつ変化していく。きっかけのひとつはSNSの登場。このSNSを動かしているのは個人情報を元にしたアルゴリズムで、自分好みの情報を選んで与えてくれる。気に入ったコンテンツをシェアして広めることができる機能や、いいねを送りあえる機能もユーザーの心を捉えた。SNSのユーザーには大量の情報があふれる社会から逃避し、短いテキストや楽しい動画に逃げ込みたいという衝動があるという。