米国やヨーロッパ側は、中国の過剰生産の問題に懸念を表明したい考え。ヨーロッパでは中国のEVメーカーが相次いで販売店をオープンさせるなど、輸出攻勢が目に見える形で始まっている。経済や雇用を守るためにも、中国をけん制したいという思惑がある。一方で、中国市場を重視するドイツの大手自動車メーカーからは、EUの関税の上乗せは、中国側の報復を招き、むしろ自分たちが損をすると批判的な声も上がっている。ドイツ政府がEUの動きに距離を取る姿勢を示すなど、この問題で欧米は必ずしも一枚岩ではない。今後どこまで中国と事を構えるか、温度差が出る可能性もある。安全保障面について、政府関係者の1人は、日本はG7唯一のアジアのメンバーとして、欧米の関心をインド太平洋に引き付けたいと話している。岸田総理大臣は、インド太平洋情勢のセッションでは、リードスピーカーという、議論を先導する役割を務める。台湾海峡や南シナ海などで力による威圧を強める中国に対し、G7が結束して行動していく姿勢を示したい考え。