防衛費を大幅に増やす一方、財政健全化を掲げる現政権が着手したのは福祉予算の削減。現在、看護師など42人で60人のケアを24時間態勢で行っているが、入居者数に対するスタッフ数の基準を下げて予算を削減した。高齢者施設運営会社の幹部・ハンナエークマンは「スタッフの給料など十分な資金がなければ手厚いケアを行う事業継続は難しい。年寄りが必要としているサービスを受けられなくなることが心配」と話す。ヘルシンキ大学・ヘイッキヒイラモ教授は「フィンランドの福祉制度は成功を収めてきた。社会保障の予算削減が今後も続けば福祉制度の成功が失われかねない」と話す。