ドイツの首都ベルリンにあるドイツ歴史博物館には約100万点の史料を展示している。子どもたちへの教育はもちろん、多くの国民にドイツの歴史を伝えることを目的としている。ドイツ歴史博物館は1730年、武器庫としてベルリン東部に建設され、第1次・第2次世界大戦時には軍事博物館として利用された過去がある。第2次世界大戦後は社会主義の理念に基づく歴史博物館として数多くの史料が展示された。ベルリンの壁が崩壊した翌1990年に東西ドイツが統一されると双方の歴史を伝える博物館に生まれ変わった。戦後80年の今年、ナチスドイツによるユダヤ人迫害に関する展示に力を入れている。ドイツ歴史博物館館長は「大戦後、私たちはある悲劇を伝えようとしてきた。その悲劇とはユダヤ人に対する前例のない暴力です。人々がこの戦争の記憶を共有することがますます大事になっていると考える」と話した。600万人ものユダヤ人を死に追いやった戦争犯罪。ドイツ歴史博物館はその真実を余すところなく今に伝えている。
