トルコのビュクリュカレ遺跡は3000年以上前にヒッタイト王国の都市があったと考えられている。見つかったのはほぼ完全な状態の粘土版。粘土版にはこの遺跡と王家との強い繋がりを伺わせる内容が刻まれていた。発掘をはじめて14年がたった去年、現場で見つかった粘土板。70行のうち、最初の6行はヒッタイト語で「首都ハットゥーシャを含む4都市が災いにあっている」という内容。その後はフリ語という文字で記されている。国家的な宗教儀礼にフリ語が使われるようになったとみられている。発掘を指揮したアナトリア考古学研究所の松村さんはフリ語を解読する研究者に協力をあおぎ、定期的に意見を交わしている。都市、破壊、敵の名前などから、侵略の危機を脱するためにフリ語で神に祈ったのではないかと研究者たちは考えている。40年にわたり遺跡発掘に携わってきた松村さんは今回の粘土板と別の遺跡の粘土板で外交のありようまで見えるという。歴史の解明はこれから。