一部の物質が有害とされる有機フッ素化合物のPFASについて、国は健康に悪影響が生じないと考えられる水準として暫定目標値を設定していて、全国の水道水の検出状況について調査した結果を初めて公表した。それによると上水道と規模の小さな簡易水道などを運営する自治体や水道事業者3755か所のうち、2022年度には岡山県吉備中央町で暫定目標値の28倍、2021年度には岐阜県各務原市で暫定目標値の11倍など、昨年度までの4年間に14か所で目標値を超える値が検出された。いずれもその後、水源を切り替えるなどの対応が取られ現在は目標値を下回っているという。今年度検査が行われた1745か所ではすべて目標値を下回った。ただ検査を行っていなかったり回答がなかったりしたところが全体の4割に上っていて、検査の徹底が課題となっている。国は現在の暫定目標値を法律で検査や改善が義務づけられる水質基準に引き上げるかどうか検討することにしている。