トランプ大統領はきょう、テネシー州で開かれたイベントに出席して、夕方遅くになってホワイトハウスに戻った。イベントではイランとの対話に触れ、「成功する可能性は極めて高い」などと自信を示していて、すでにイラン側と主要な項目で認識が一致していると一方的に主張している。イラン側はトランプ大統領のこうした主張を否定はしているが、交渉それ自体を今のところ拒否する姿勢は見せていない。戦争は4週目に入ったが今回の対話に関しては、水面下でエジプト、パキスタン、トルコなどの国々が仲介に入っている模様。現時点でアメリカとイランが直接やりとりする段階にはないようだが、ロイター通信は週内にもパキスタンの首都イスラマバードで、アメリカとイランの対面協議を開催する方向で調整が進んでいると伝えている。こうした中、ニューヨーク・タイムズは関係者の話として、「アメリカ軍が陸軍の第82空挺師団の中東派遣を検討している」と伝えた。精鋭の空挺部隊3000人が、アメリカ本土から18時間以内に世界のどこにでも展開することができるとされ、これが何らかの地上作戦に道を開くことになるのか、注目が集まっている。イスラエルメディアの報道では、4月9日は攻撃が始まってから6週目ということで、トランプ政権は当初、軍事目標は4週間から6週間で達成可能と主張していたから、それが実現できるのであれば公約通りとは言える。ただ水面下で仲介している関係国からは、イラン側からの要求は高くアメリカとの隔たりが大きすぎるとして、これまでのところ大きな進展はないとの報道も出ている。トランプ大統領としては、中間選挙を控えてできる限り早く手じまいにしたいのが本音だろうが、イランとしては現在の体制を維持し、イスラエルから再び攻撃されない保証を得ることが最低ライン。最大の交渉カードともいえるホルムズ海峡で安易な妥協はできないはず。また、トランプ大統領が戦争を続けたいイスラエルをどう納得させるのか、これも簡単なことではない。一方、今週中に沖縄に駐留していた海兵隊2500人と佐世保に配備されていた強襲揚陸艦が、現場海域に到着するとみられている。仮に5日間で協議がまとまらない場合、イランの石油輸出の拠点であるカーグ島の制圧に乗り出す可能性もある。対話というのはあくまで見せかけで、部隊が中東に到着するまでの時間稼ぎ、陽動作戦と見ることも可能。いずれにしてもアメリカとイランの対話は越えるべきハードルがあまりにも高く、合意できるかどうかは余談を許さない展開になると言える。
