G7サミットが開かれているイタリアで米国・バイデン大統領とウクライナ・ゼレンスキー大統領は2国間の安全保障協定に署名した。ゼレンスキー大統領が「歴史的な日だ」と述べ画期的だとの認識を示した。ホワイトハウスが公表した協定の文書。前文では「ウクライナの安全保障はヨーロッパから大西洋にまたがる地域の安全保障にとって不可欠だ」としている。第2条で防衛と安全保障の協力について記されていてウクライナ軍の強化のための兵器の供与や軍事訓練を行うとしている。注目されるのがこの協定の有効期間が10年間とされ長期的なものだという。ウクライナが今日直面している戦争に勝利するだけではなく、将来のロシアの侵攻も抑止することも目指すとしていて、今の軍事侵攻が終結したあとロシア軍が再び武力攻撃をしたりそのおそれが出たりした場合、両国は可能ならば24時間以内に高いレベルで協議するとしている。背景には11月に米国の大統領選挙が迫っていることがある。仮に、ウクライナ支援に否定的なトランプ氏が勝利しても協定によって米国の国としての方針がぶれないことへの期待が込められている。一方で早くも、さまざまな課題や限界が指摘されている。G7サミットでは関係者の間でプーチン氏が欧米の支援疲れを見越して長期戦に持ち込もうとしていることへの警戒の発言が出ている。EU・フォンデアライエン委員長、ホワイトハウス・サリバン大統領補佐官のコメント紹介。ただ、ヨーロッパでは先のヨーロッパ議会選挙でも見られたようにウクライナ支援に伴う財政的な支出に批判的な極右勢力も勢いを増している。G7首脳としてウクライナ支援の重要性を繰り返し、丁寧に説明することがますます求められている。