今月28日に感謝祭の祝日を迎える米国・ホワイトハウスでは食卓に上る予定だった七面鳥に大統領が恩赦を与える恒例行事が行われた。トランプ次期大統領は25日、就任を見据え、メキシコ、カナダ、中国の製品を対象にした新たな関税措置を相次いで表明した。関税を交渉のカードにして他国に対応を迫るディールの姿勢を鮮明にしている。トランプ氏は選挙戦中、米国が巨額の貿易赤字を抱えているとして関税措置を導入する考えを繰り返し表明していた。犯罪や薬物の流入が止まるまで措置は続けるとしている。トランプ氏がとりわけ厳しい姿勢を示してきたのが、米国への輸出額が世界トップのメキシコ。自動車産業を巡ってはメキシコから安価な自動車が輸入されているとして関税を引き上げて米国国内の自動車産業を守ると訴えてきた。日本のメーカーもメキシコの工場を米国向けの重要な生産拠点と位置づけていて、輸出戦略の見直しを迫られる可能性もあるトランプ氏は中国の製品についても現在の関税に加えて10%の追加関税を課す方針を明らかにした。理由として挙げているのが米国で社会問題になっている薬物のフェンタニル。過剰摂取で命を落とす人が後を絶たない中、中国で製造された原料が使われていると指摘されていることから、トランプ氏は中国側が十分な対応をしていないなどと訴えている。トランプ氏による表明に東京市場は大きく反応。日経平均株価は先行きへの警戒感が広がり、一時、700円以上値下がりした。過去にはみずからをタリフマン(関税男)と称したトランプ氏の動向を世界が注目している。