- 出演者
- 膳場貴子 駒田健吾 中西悠理 杉浦みずき 唐橋ユミ
オープニング映像が流れ、膳場貴子が挨拶した。今週も米をめぐる大きな動きが続いたことに触れた。
コメの価格の安定のため、政府は備蓄米の随意契約を急ピッチで進め、流通量を増やそうとしている。さらに注目されたのが、3~4年前の古いコメである古古米に古古古米。きのう、2000円程度で売り出すとされた備蓄米の店頭販売が始まった。入荷したホームセンターや大手スーパーでは早朝から行列ができた。500袋を用意した東京都大田区のイトーヨーカドー大森店でも、開店前に完売した。この1週間、備蓄米の店頭販売まではかつてない急ピッチで進んだ。小泉進次郎農水大臣は「これ(随意契約)は高速道路」などとコメント。高速道路とは新たに始めた随意契約のシステムのことだ。JAなどの集荷業者や卸売業者を外し、大手の小売業者などに直接販売した。最初に用意した2022年度米は20万トンの契約枠が27日にいっぱいになった。そこで、1回目の契約から外された中小の小売業者に対しては、21年産を8万トン用意した。店頭販売価格は22年産が2000円程度、21年産が1800円程度になる。国民民主党・玉木雄一郎代表は衆議院農水委員会で「1年たったら動物のえさになるようなもの」などと述べた。保存期間5年を過ぎた備蓄米は飼料用などとして売却される。小泉大臣は古古古米を試食した。
5月29日、農水省ではメディア関係者を招いて古古古米と新しい米との食べ比べが行われた。小泉進次郎農水大臣も試食し、古古古米について「うちの職員の中には炊きあがりの炊飯器を開けたときは少しツンと臭いを感じたという方もいた」などとコメントした。備蓄米の精米に関する問い合わせが相次いでいるというエバーグリーンでは、3~4年も前の古いコメは扱ったことがないという。鈴木亮平係長は「古いコメは白くなりにくい」などと話した。酸化が進んだ古いコメは新米より多く削らなければいけないので、強めの圧力をかける必要がある。備蓄米は精米の過程で砕けたコメが多くなる可能性もある。
さらなる備蓄米の放出で古古米に続いて古古古米も店頭に並ぶ運びだ。ファミリーマートでは1kg単位での販売計画もある。富樫信人執行役員は「古古古米を食べたことのない方が食べていただきやすい」と話す。3~4年前の古いコメまで一気に放出する異例の政策は令和の米騒動収束への一歩となるのか。
今後しばらくコメは、5kg当たり税抜き価格の目安として、1800円の古古古米、2000円の古古米、3600円の古米ブレンド、4100円の新米(銘柄米)の4つの価格帯に分かれることになりそうだ。古米ブレンドは江藤大臣のときに入札方式で放出した備蓄米と新米などをブレンドしたもの。古古米、古古古米は今回小泉大臣が随意契約で放出した備蓄米。小泉大臣は備蓄米について「需要があれば無制限に出す」とも発言している。備蓄米は91万トンあったが、そのうち61万トンはすでに放出済みで、残りは30万トン。主に2020年産のコメが中心となる。そもそも備蓄米は災害や凶作などの非常時に備えるためのコメでもあり、今後は無制限にとはいかないかもしれない。
備蓄米は随意契約が始まって異例の早さで市場に出てきている。浜田敬子は江藤前農水大臣が「コメは売るほどある」、国民民主党・玉木代表が備蓄米のことを「動物のえさ」と言ったことをを指摘。こうした政治家の発言から、本当に生活実感がない人たちだと評価し、「これがコメの価格について無策ともいえるような状態を生み出しているのではないか」などとコメントした。さらに、コメの価格については5kg2000円という価格は適正ではないと指摘。3400~3500円くらいが適正と言われている。どれぐらいのコストで生産者がずっと続けられるのか、消費者も買い続けられるのかというコメの流通、生産体制全体を考える必要があると主張した。安田菜津紀は「小泉大臣のパフォーマンスに目が向きがち」などとコメント。小泉大臣はかつて生活保護削減を党方針として決めたプロジェクトチームメンバーで、実際、大幅な減額が行われたと指摘。安田は引き下げの違法性を問う命の砦裁判を傍聴してきたという。生活保護利用者は白米だけ食べていればいいという中傷もある。今、白米も困窮者には手が届きにくくなっていると指摘。
コメの適正価格や農政のあり方について、国会でも議論になっている。令和の米騒動で見えてきたのはコメの不足だけではなく、いまだ続く減反政策など農政が抱える問題だった。古い備蓄米が格安で出回る一方で、コメの価格は落ち着くのか。衆議院農水委員会で、立憲民主党・野田佳彦代表は「バナナのたたき売りじゃない」、日本維新の会・前原誠司共同代表は「4200円の銘柄米が落ち着くのか」などと述べた。小泉進次郎農水大臣は今後のコメ価格について明言を避けた。コメの価格を下げる方法として打ち出したのはコメの増産。これまで農政のタブーともされてきた、実質的な減反の廃止だ。JAは生産調整による価格の維持を重視してきた。JA福井県五連・宮田幸一会長は「一気に生産量を増やすことには懸念が残る」などと述べた。自民党の農林部会長を務めたとき、小泉はJAの組織改革を訴えていたが、JA側の反発を受け、目立った成果を挙げられなかった。
小泉大臣は長年のタブーでもあったコメの増産を主張する。生産調整を重視するJAとどう向き合うのかが問われている。参議院農水委員会で立憲民主党・羽田次郎議員は「農協という組織をどう捉えられているのか」と質問。小泉進次郎農水大臣は「課題があることも事実」などと述べた。5月29日にはJAの幹部らと会談、小泉大臣は「消費者のコメ離れを防ぐ思いは同じ」、JA全中・山野徹会長は「我々も全く同じ考え」などとコメントした。コメの増産に伴う避けて通れない課題も突きつけられている。価格が下がりすぎたときに農家をどう守るか。立憲民主党・野田佳彦代表は衆議院農水委員会で「コメ農家に交付金を交付する直接支払制度を導入したらどうか」と提案。しかし、小泉大臣は補償制度については言及を避けた。
小泉大臣の言うコメの増産に進んだ場合、どういうことが起こると予想されるのか。仮に減反政策をやめた場合はコメの増産につながるが、コメ価格が下落するリスクが生じる可能性がある。立憲・野田代表、国民・玉木代表、維新・前原共同代表は、コメ価格が下がった場合に備えて「農家の所得補償を行うべきだ」と主張した。石破総理も、経営努力などの条件付きで「経営が行き詰まらないような補償は認められるべき」と、農家の所得補償を行うことで生産を拡大させることに前向きな考えを示した。しかし政治ジャーナリスト・後藤謙次はそう簡単ではないと指摘。所得補償は旧民主党政権の政策で、自民党内にはアレルギーが強い。自民党の農水族の中には増産に抵抗が根強い。さらに、石破総理は周辺に対して「敵は内側にいる」とも語っている。
コメ価格をどう下げるかという問題の一方で、日本の持続可能なコメ作りの体制をどう構築していくかについても今、議論しておきたい。薮中三十二は今回の米価高騰は非常事態で、なぜ起きたのかを検証しなければいけないとの考えを示した。政府による事実上の減反政策が間違っていたということになると、どうして間違ったのかをきちっと見るべきだと主張。生産者の高齢化の問題、小規模農家でやっていけるのかにも触れ、「全体の見直しを今すべき」などと述べた。「報道1930」キャスター編集長・松原耕二は「適正価格というのは本来はない」などとコメントした。世界では需給の関係で値段が決まるが、日本は価格を維持する政策を重点的にとってきた。生産者の所得補償をするなら、価格は市場原理で決めるものだと指摘。大きい農家に重点的に所得補償すると大規模化が進むと言われているが、これはJAは一番嫌がるところ。安いコメを演出して参院選を乗り切ろうというのが自民党のシナリオだと思われるが、小泉大臣にとっても選挙の後が本番だと、松原は指摘した。森山幹事長は農水族のドンと言われている。ただ、減反政策はだめだという共通認識が生まれつつあり、チャンスなので、この時期に大規模化につながる政策をとるべきだろうと主張。
5月27日、自民党の裏金事件をめぐって安倍派の元幹部である下村博文元文科大臣の参考人招致が行われた。下村元大臣は「深く反省している」などと述べた。裏金づくりにつながるパーティ券収入のキックバックが再開された経緯について問われた。安倍派の元会計責任者だった松本の証言などから、下村元大臣がキックバックの再開を指示した可能性が取り沙汰されていた。下村元大臣は、安倍派議員からのキックバック再開要請を松本に伝えたものの、指示をしたわけではないと強調。また、松本は2022年8月の幹部会合でキックバック再開が決まったと証言しているが、下村元大臣は「認識の齟齬があると思う」などと述べた。安倍派の幹部だった議員らが関与を否定し続け、依然、真相は明らかになっていない。「報道1930」キャスター編集長・松原耕二は「裏金問題というのは国会議員だけじゃなくて、都議会自民党でも明らかになっている上に、自民党の東京都連でも今回あるんじゃないかと内部調査が行われている」と指摘。企業団体献金の見直しは、今国会で先送りしようという流れになりつつあるという。第三者機関や審議会方式でルールを決める方法も提案。
5月27日、年金改革法案をめぐって、自民、公明の与党と立憲民主党が協議してきた修正案について合意した。石破茂総理大臣は「嬉しいこと」、立憲民主党・野田佳彦代表は「年金改革の一里塚だった」などと述べた。立憲民主党の求めにより、自民党内の意見を踏まえて法案から削除されていた基礎年金の底上げが、再び盛り込まれた。厚生年金の積立金の一部や税金を使って底上げすることになるが、安定的な財源については議論が先送りされている。
年金制度は、1960年は11.2人の現役世代が1人の高齢者を支える神輿型だったが、2005年には現役世代3.3人で支える騎馬戦型となり、2025年は2.0人、2050年には1.4人で支える肩車型になっていく。これまでも保険料を徐々に引き上げたり、年金を受け取る年齢を60歳から原則65歳に引き上げたり、年金を実質的に減らす仕組みを導入したりしてきた。年金は1階部分の基礎年金と2階部分の厚生年金の2階建てになっている。基礎年金は定額だが、厚生年金は給与の額が変わる。就職氷河期世代などは低い傾向がある。自営業の人たちは2階部分がない。2024年年金の財政検証によると、過去30年間の経済状況が続いた場合、2057年には基礎年金の給付水準が実質的に3割減る。そこで基礎年金の底上げが必要とされる。一律に底上げされ、費用は厚生年金の保険料積立から出される。当初政府与党は参院選を前に「厚生年金の流用ではないか」という批判が広がることを恐れて、法案から削除していた。しかし、野党側から「あんこのないアンパン」と批判を受け、立憲民主党との修正で復活させた。しかし厚生年金の積立金を投入しても、底上げ分の半分は国庫負担となるが財源は未定だ。ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫によると、一時的に全員もらえる厚生年金が減る。その対策も未定だ。浜田敬子は不安感が少子化にもつながっており底上げは意味があるが財源の問題は残る。その上で、この問題は選挙・政局のためではなく中長期的に考えなくてはならない。その点で自民・公明・立憲が合意したのは評価できると述べた。
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5月27日、兵庫県斎藤知事をめぐる元職員の私的情報漏えい。第三者委員会は元総務局長が知事からの指示を受けて情報を漏らした可能性が高いと発表。斎藤知事は指示については否定、第三者委員会は知事以外の当事者の話は一致するとして、知事の供述の信憑性は低いと判断した。斎藤知事は「組織のトップとして漏えいの責任をとる」として給与カットする方針。松原耕二は「組織として成り立たない。県民を代表する議会もこれからどうするか問われている」とコメント。
5月28日水曜、スイスのアルプス山脈で氷河の塊が溶けて崩壊し大規模な土石流が発生した。ふもとの村の住民約300人は事前に避難していたが1人が行方不明。
5月28日水曜、大川原化工機をめぐる冤罪事件。東京高裁は1審に続き警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認めた。都と国に対しあわせて約1億6600万円の賠償を命じた。大川原化工機の大川原正明社長は「自分たちがやってきたことが間違っていなかったと裁判官が認めてくれた」とコメント。大川原正明社長ら3人が軍事転用できる噴霧乾燥機を不正輸出した疑いで逮捕起訴されたこの事件。1審の証人尋問では捜査に関わった警察官が「事件はねつ造だった」と証言。2審の判決で輸出規制に関する警視庁公安部の法解釈に正当性がないと判断。原告側の高田剛弁護士は「法解釈がないのに公安部の強い意志によって立件に導かれた」とコメント。坂井学国家公安委員長は「警視庁による捜査について厳しい内容の判決が言い渡された」と述べた。浜田敬子は「組織の問題。外部の機関での捜査が必要。人道的に問題があると言われている」とコメント。安田菜津紀は「最低でも徹底検証が必要。人質司法からの脱却が不可欠」とコメント。
5月29日(木)、プーチン大統領と面会し花束を受け取ったのは安倍元首相の妻・昭恵氏。プーチン氏の言葉に昭恵氏は涙を流し、「ロシアは大切な隣国であり文化的交流はこれからも続けていきたい」等と語った。面会後、ボリショイ劇場に向かう際には大統領専用車が提供されるなどの歓待ぶり。ただ、面会の経緯・目的は明らかにされていない。一方、プーチン大統領に対して不満を口にし始めたのはトランプ大統領。SNSでも「完全に狂ってしまった」「火遊びをしている」等と相次ぎ投稿している。先週のプーチン氏との電話会談後は停戦の仲介をやめる可能性も示唆していた。一方でロシアへの追加制裁については「もし和平合意に近づいているなら追加制裁で台無しにしたくない」と話した。さらにロシア側の対応を見極める考えを示している。出演者は「注目しているのはイランとの関係。イスラエルが場合によってはイランの核施設を攻撃するかも分からない。そこはトランプ氏が止めているが、それもイランとの交渉が上手くいかなくなったらあるかも分からない。その危うさをトランプ大統領に感じる」等と話した。
トランプ関税を巡って4回目となる日米交渉がおこなわれた。赤沢経済再生担当大臣は関税措置について「自動車、自動車部品、鉄鋼、アルミ加えて相互関税いずれについても遺憾であり見直して欲しい。合意することは困難である」と発言。合意に向けた議論の進展を確認できたとし中身については差し控えると繰り返した。トランプ大統領は鉄鋼に課している25%の追加関税に関して、4日から50%に引き上げると表明している。薮中三十二は「関税に対してなかなか大変」とコメント。
御意見番はロンドンオリンピックで日本卓球界初の銀メダルを獲得した平野早矢香、上原浩治。きのうは仙台で予定されていた楽天対ソフトバンクが雨で中止となった。きのう行われた5試合をパ・リーグから伝える。日本ハムは9回、2アウトながら2塁3塁のチャンスで代打・矢澤がタイムリー。郡司が続き、逆転サヨナラ勝ち。
西武先発の今井は、両リーグ唯一の防御率0点台。きのうもバットを3本を折るなど7回2失点と好投を見せた。オリックスの先発・宮城も7回2失点。両投手の好投で試合は延長線に突入。11回、オリックス・野口が今シーズン第1号。オリックスは5度目のサヨナラ勝ち。