観光案内所で働く女性たちに密着した。舞台は渋谷駅地下1階にある「ワンダーコンパス渋谷」という観光案内所で、訪れる外国人は1日約150人でどんな相談でやってくるのか。ドイツ人観光客は地下鉄フリーチケットを16枚欲しいという。このドイツ人男性の仕事は外国人旅行客を対象に日本の野山を案内するガイドで、今回はドイツとスイスの旅行者16人を長野県・志賀高原の案内で来日しているという。こちらの案内所の主な業務は都内の観光案内と地下鉄フリーチケットの販売などを行っていて、案内スタッフは12人いるという。高橋さん（30）はここで働いて5年目の中軸を担う案内スタッフで「笑顔でフレンドリーな接客を心がけている」と話した。中学生の頃に英語に興味を持ち、高校卒業後にカナダへ1年半の語学留学を経て帰国した後は英会話教室の講師をしていたが、外国人観光客をサポートする仕事がしたいと4年前にスタッフになった。
この日やってきたのはフィリピンからの旅行者である。電車で移動するためPASMOが欲しいとのこと。来日した目的は日本で販売しているヘッドレスのエレキギターを購入するために来たという。無事に欲しかったギターを手にワンフレーズを演奏する様子を披露し、将来はプロのミュージシャンを目指しているという。一方で、宿泊先の浅草へ戻りたいとの相談に高橋さんは駅までの行き方を丁寧に案内した。2人は初めての2週間の日本旅行とのこと。2人は6年前のバルト海クルーズ船の旅で「写真を撮る」という共通の趣味から直ぐに意気投合し、共にカメラは日本製の物を使用している。日本製のものが好きすぎて日本で待ち合わせすることになり今に至るという。後日送られてきた写真には飛騨高山や奈良公園でシカと戯れる様子が収められている。そしてこの日、デンマークから来た訪日客から「電車の中でiPhoneをなくした」と相談があった。どうやら山手線内で携帯電話を紛失したという。高橋さんは2人と一緒にJR渋谷駅の駅事務所を目指す。大切な携帯電話は果たして見つかるのか。