夏真っ只中のオーストラリア。この季節に頻発するのが森林火災。その影響を受けるのがコアラ。オーストラリアでは気候変動の影響も指摘される森林火災が相次いでいる。オーストラリア東部のコアラ生息地。2019年~2020年にかけて大規模な火災が発生。コアラのすみかに適した森林のうち25%が失われた。2019年~2020年の森林火災では6万匹以上のコアラが犠牲となった。傷ついたコアラたちを治療するのがポート・マッコーリー・コアラ病院。50年以上にわたり5000匹以上のコアラを治療してきた。病院ではリハビリを通じてコアラを自然に帰すための取り組みも進めている。自然にかえせたコアラの数は年間250匹にのぼる。20年以上治療に携わるシェイン・フラナガンさん、5年前の森林火災でも治療にあたったが救えない命も多かったという。命を救えても野生に戻すことが難しいケースもある。オスのコアラ・バズは火災により全身にやけどを負ったが懸命な治療により一命はとりとめた。しかし、やけどの後遺症でツメが生えず高い木に登ることができない。病院ではバズのように野生に戻せないコアラを展示し、一般公開。フラナガンさんはコアラたちを取り巻く厳しい現実を見てもらうことで気候変動の深刻さを感じて欲しいと訴える。コアラは個体数が減少していることから絶滅危惧種に指定されている。フラナガンさんは繁殖プログラムにも力を入れたいという。