イランで行われた大統領選挙の決選投票は、欧米との対話を重視する改革派のペゼシュキアン氏が当選し、欧米と対立を深めてきた外交政策の転換を図り、関係改善を目指していくことになるとみられる。決選投票は、欧米との対話を重視する改革派で、イラン議会の副議長や保健相を務めたペゼシュキアン氏と、欧米との対立を厭わない保守強硬派のジャリリ氏の争いとなった。内務省が日本時間の正午すぎに発表した開票結果によると、改革派のペゼシュキアン氏は1638万票余り、保守強硬派のジャリリ氏は1353万票余りを獲得し、ペゼシュキアン氏が当選した。選挙戦で、ペゼシュキアン氏は制裁の解除に向けて核合意の立て直しを訴え、今後、欧米と対立を深めてきたライシ政権の外交政策からの転換を図り、関係改善を目指していくことになるとみられる。ただ、イランでは、安全保障などの重要な問題については、最高指導者のハメネイ師の方針に従う必要があるため、実際にどこまで政策転換を実現できるかは不透明な情勢。