高校での最後の一般公開の日、子どもから大人まで約400人が訪れ校舎の中の水族館は幕を下ろした。いよいよ引っ越しが本格的に始まった。一番目立つ入り口には全長3メートルの巨大水槽が置かれ、新しい水槽が次々と運び込まれた。一方、学校の魚たちはお引っ越しの準備。水温を合わせて魚たちを運ぶ。タコ担当の石丸さんはマダコのもなかが入る新居づくり。集めてきた海藻をレイアウトして、メスのタコともなかを水槽に入れた。石丸さんは親元を離れ寮生活をしている。学校帰りに寄ったのは地元の飲食店。町を盛り上げてくれる長高の生徒に地元の人たちは支援を惜しまず、食事を安く提供してくれたり、住まいを確保してくれたり。石丸さんの住む部屋も地元の人がアパートを女子寮としてリフォームしてくれたという。石丸さんの部屋には大きな水槽がありヘルマンリクガメを飼育している。タコに興味を持ったのは小学生の時で、もなかは小さい頃から大切に育ててきた。しかし、翌日水族館に行くともなかは死んでいた。メスと交接したオスダコは死に至ることが多いが、引っ越し翌日とは予想していなかった。