米国のトランプ次期大統領が、来年1月に発足する新たな政権で司法長官に起用すると発表していたマットゲーツ前下院議員は21日、SNSで指名を辞退すると表明した。ゲーツ氏は、トランプ氏を強く支持してきたことで知られる。ただ、未成年の女性に金銭を支払って性的な関係を持った疑いなどで当局の捜査を受けたことがあり、身内の共和党内からも起用を問題視する声が上がり、閣僚人事に必要な議会上院での承認が難航するとの見方が出ていた。ゲーツ氏は辞退の理由についてSNSに「私の承認を巡って、不当な形で政権移行期の重要な仕事を妨げていることは明らかだ」と投稿した。また、トランプ氏はSNSに「彼は非常によくやっていたが、彼が尊敬する政権の妨げになりたくなかったのだ。マットにはすばらしい未来がある」と投稿した。米国メディアは「トランプ氏にとって大統領選挙以降、初めての大きな政治的後退になった」などと大きく伝えていて、トランプ氏は人事の練り直しを迫られることになる。