ASEAN国防相会議における各国の関心事は、トランプ次期政権の元でアメリカによる地域への関与が維持されるかどうか。とりわけフィリピンは南シナ海の領有権問題を巡って中国と対立を深めてきただけに、アメリカの関与が今後弱まってしまわないかという懸念がある。米・オースティン国防長官は会議の開幕に先立ってフィリピンを訪問。訪問中に両国は機密性の高い軍事情報を即時共有できるようにするため「軍事情報包括保護協定」に調印した。アメリカの政権交代を見据えて両国の連携を固めていこうと腐心している。また中国と関係が深いカンボジアやラオスもアメリカの地域への影響力低下は望んでいない。インドネシア・ベトナム・フィリピンの首脳はトランプ氏と相次いで電話会談し、関係構築に向けて早くも動き出している。