- 出演者
- 栗原望 油井秀樹 酒井美帆
オープニング映像が流れ、酒井美帆キャスターらが挨拶した。
キャスターが「きょうの主な内容はこちらです」と述べ、ニュースラインナップのテロップが表示され、
アゼルバイジャンでは今気候変動対策を話し合う国連の会議「COP29」が行われている。先進国と途上国の溝埋まるのか、会議は山場を迎えている。会議では途上国の気候変動対策支援の資金について新たな目標額の決定を目指している。先進国側は新興国や国際的な金融機関、民間を含め資金源を幅広く拡大することを目指している。一方途上国側からは有利子の貸し付けで資金提供の機会が増え債務拡大につながるなど懸念の声も上がっている。議長国のアゼルバイジャンは20日夜により完全な形の草案を作る方針を示していて、資金の調達方法を巡って各国が歩み寄れるかが引き続き焦点となっている。
現在は先進国全体で年間1000億ドル拠出、ただ途上国からはそれでも足りないとの声が上がっている。また今回のCOPで注目されているのが2025年以降の目標額を決められるかどうかで途上国は今の10倍となる年間1兆ドル必要としている。
- キーワード
- 国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議
人口32万余のバヌアツ。主要産業は観光業と農業。これまで各国の資金援助を受けてきた。サイクロンが頻繁に上陸するバヌアツ。去年3月には2つのサイクロンが立て続けに上陸し、大きな被害を受けて人口の6割以上に影響が及び、被害総額はGDPの40%余に上るとされている。資金はどのように使われているのか現場を見てみるとJICAの援助で橋の改修工事が行われていた。橋を嵩上げし蛇行する川の流れを緩やかにするという。総工費は22億円余。費用は増加している。首都ポートビラの小学校では校舎や職員が使う施設に大きな被害。オーストラリアなどの支援で復旧工事が行われるも資金が足りず。屋根は吹き飛ばされたまま。1年半以上経った今も子どもたちはテントの中で授業を受けている。先進国全体で拠出する気候資金は年1000億ドル(15兆円)、ただ途上国からは影響は深刻だとして更なる支援を求める声があがり特に人的資金が少なく規模の小さい島しょ国に十分な資金が回らない現状。ペレ島では50人ほど暮らす集落で、高潮の被害で墓が海に流されてしまったという。バヌアツでは国連機関などと集落移転が必要な場合の対応を検討し始めている。検討の費用だけで2030年までに約1億円、実際に移転する場合さらに膨らむ見込み。気候変動特使・ラルフ・レゲンバヌさんは先進国の姿勢に憤りを感じているという。
バヌアツにとって日本は、オーストラリアなどに次ぐ第三の支援国だが、ODAが減っているなかで、支援額を純粋に増やすことは難しい状況。バヌアツにある日本大使館の奥田大使は、目標額よりも現場の実態に合わせて地道に支援を行うことが重要だと指摘する。太平洋島嶼国では、気候資金の最大拠出国アメリカで、気候変動対策に後ろ向きなトランプ次期大統領が就任することで、対策が遅れるのではないかとの懸念が広がっている。日米豪の三カ国は連携して、この地域での存在感を高めようとしてきたが、気候変動対策に後ろ向きな国は島嶼国の信頼を失う。日本は、真摯に向き合うことが求められる。
COP29で、焦点のひとつとなっているのは新興国の出方。経済成長とともに、大量の温室効果ガスを排出してきた中国やインドなどの新興国に対しては、途上国を支援する余力も責任もあるとして、先進国側・途上国側から、その動向に注目が集まっている。新興国側は、途上国への支援は先進国が率先して行うべきだと主張してきた。今週、新興国のひとつであるブラジルで開かれたG20の首脳宣言では、あらゆる資金源からの投資を促進するとの文言が盛り込まれ、支援の規模とその担い手を拡大すべきとする方針が示された。これをCOP29に合わせた新興国側からの前向きな動きと捉える評価もある。最終的な合意文書に向けた草案がまもなく示されることになっている。先進国と途上国に加え、新興国がどのように折り合いをつけるかが注目される。
19日、アメリカのトランプ氏は、イーロン・マスク氏とともに、スペースXが開発する大型宇宙船の試験飛行を視察した。トランプ氏は先週、政府の支出を見直し、削減を検討するための組織のトップにマスク氏を起用することを発表した。マスク氏は、トランプ氏と各国首脳との電話会談や、次期政権の人事を決める面談にも同席していると伝えられている。主要メディアは、今回の視察について、2人の親密さとマスク氏の影響力が高まっていることの現れだと伝えている。
トランプ氏は、政権移行チームの共同議長で、実業家のハワード・ラトニック氏を商務長官に起用すると発表した。ラトニック氏は、金融サービス会社の最高経営責任者で、アメリカの産業保護のため、関税の引き上げを主張してきたことで知られ、政権で、関税と貿易政策で中心的な役割を担うとみられる。
トランプ氏は、前政権時代の2018年に、EUから輸入される鉄鋼製品などに高い関税をかけた。当時、イギリスも加盟していたEUも、これに報復関税で対抗し、貿易紛争に発展した。イギリスの革製品の老舗メーカーは、売上全体に占めるアメリカ向けの比率は35%ほどで、イギリス国内向けを上回り最大市場になっている。トランプ氏が外国からの輸入品に高い関税をかける方針を示していることに懸念を抱いている。食品加工に使う加熱装置などを製造するドイツの会社は、アメリカへの輸出が売上の2割を占めている。会社の代表は大統領選挙前、トランプ氏が当選すれば関税が引き上げられ、製品が売れなくなると強い不安を示していたが、先週には、関税が引き上げられた場合の対応策について検討を始めていて、20%の引き上げとなれば生産の一部をアメリカに移転することも考えざるをえなくなるという。ベルリンで開かれたアメリカとのビジネスに関わる経営者などのシンポジウムでも、その対応策について意見が交わされた。シンポジウムを主催した経済団体のトップは、新たな関税はアメリカの消費者にとっても望ましくないとして、速やかに関税政策などの再考をトランプ次期政権に働きかけていく考えを示した。専門家は、関税を課せられた場合、各国は影響の大きい自動車などの分野を支援するなどして、貿易摩擦を避けることも検討すべきだと指摘する。
スペイン・マドリードの街角に登場したオブジェ、これらはスペインの画家ベラスケスのス・メニーナスインスピレーションを受けた作品で恒例のイベントでことしは180cmの作品が市内のあちこちに設置されている。30点作品は今後オークションにかけられ収益金の8割が様々な慈善団体に寄付される。
香港の汚職取締当局が開設50年を祝い局内のロビーにカフェをオープン。ちなみに当局から「コーヒーを飲みにおいで」と招かれることは取り調べに呼ばれることを意味するという。
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- 香港(中国)
ASEAN(東南アジア諸国連合)国防相会議がラオスで開かれ、来年アメリカと海上合同訓練を行うことを決めた。トランプ次期政権下でもアメリカによるこの地域の関与を繋ぎ止めておく狙いがあるとみられる。2日間の日程で開催された会議はASEAN加盟10か国に加えアメリカ・中国・日本などが参加した。きょうの会議では来年米海軍と情報共有の強化目的とした海上合同訓練の実施を決定、また加盟国複数政府当局者の話によると会議の後オースティン国防長官も出席し訓練の詳細を協議したという。あすは日本・アメリカ・中国などの国防相らを加えた拡大会議も開き南シナ海など地域の安全保障上の課題について意見が交わされる見通し。
ASEAN国防相会議における各国の関心事は、トランプ次期政権の元でアメリカによる地域への関与が維持されるかどうか。とりわけフィリピンは南シナ海の領有権問題を巡って中国と対立を深めてきただけに、アメリカの関与が今後弱まってしまわないかという懸念がある。米・オースティン国防長官は会議の開幕に先立ってフィリピンを訪問。訪問中に両国は機密性の高い軍事情報を即時共有できるようにするため「軍事情報包括保護協定」に調印した。アメリカの政権交代を見据えて両国の連携を固めていこうと腐心している。また中国と関係が深いカンボジアやラオスもアメリカの地域への影響力低下は望んでいない。インドネシア・ベトナム・フィリピンの首脳はトランプ氏と相次いで電話会談し、関係構築に向けて早くも動き出している。
難民・避難民の数は今年は既に1億2000万人超とも言われている。安全を求めて中東やアフリカからヨーロッパを目指して長い距離を移動する人たちも少なくない。そうした難民たちの様子を描いた映画「The Walk」。主人公はシリア難民の少女を模した人形「アマル」。映画はアマルが実際の難民と同じようにシリア・トルコの国境からギリシャやフランスなどを経由し、イギリスまで約8000kmを横断するプロジェクトを記録したドキュメンタリー。監督のタマラ・コテフスカさんは「難民がどう扱われているかを広く知ってもらい、偏見を無くすために映画にした」などと話した。アマルのセリフは撮影で出会った難民約50人の実体験が元になっているという。コテフスカさんは「この映画が難民に対する人々の考え方を変えることを願っています」などと話した。
黎智英氏は、香港の民主化運動を長年支援し、外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えたとして罪に問われている。黎氏は4年前に逮捕・起訴され、複数の裁判で実刑判決を受けて身柄を拘束されたまま。リンゴ日報も2021年に発行停止に追い込まれている。
国連が定めた「世界子どもの日」のきょう、ユニセフは最新の「世界子供白書」を発表し2050年代に18歳未満の子供たちが置かれる環境についてユニセフとして初となる予測を示した。その中で熱波に晒される子どもは2000年に比べ8倍、洪水は3.1倍、干ばつ・台風などの脅威に直面する子供も増加するとしている。この他高齢化の影響についても触れている。2050年代には18歳以下の子供の数は現在とほぼ変わらない一方、成人の数は増え続け75億年に達すると予測している。
あすは、再生可能エネルギーの導入が進む現状と課題に迫る。
油井秀樹キャスターらがエンディングの挨拶。