- 出演者
- 栗原望 油井秀樹 酒井美帆
オープニング映像。
「中国 太陽光パネル 過剰生産」など。
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- 中国
ブラジルで今夜から始まる予定のG20首脳会議。貧困や気候変動対策など国際的な課題の解決に向け、立場の異なる国々がどのようなメッセージを打ち出すのか。国連のグテーレス事務総長は気候変動対策について、G20各国のリーダーシップと妥協が必要と述べ、多国間で協調し解決に取り組むことが重要だとした。米国で気候変動対策に後ろ向きとされ二国間交渉を重視するトランプ次期大統領の就任が2か月後に控える中、立場の異なる国々がどのようなメッセージを打ち出すのかが焦点となる。
リオデジャネイロから中継。今回のG20では気候変動対策と貧困が主な議題となることについて、近年気候変動によるとみられる干ばつが深刻だとみられるアマゾンの熱帯雨林があるブラジルにとっても気候変動対策は喫緊の課題だといい、先進国、新興国・途上国で立場が異なるのが実態。ブラジルとしてはG20の場で幅広い合意形成を図りたいという狙いがあり、貧困というテーマも選ばれていると指摘。ブラジル政府としては今回のG20の成果を来年自国で開催されるCOP30へつなげたいと考えているという。バイデン大統領はG20で最後のメッセージとして気候変動対策など各国が協調して取りくんできた課題に対しトランプ時期政権によって後戻りさせないよう強く訴えるものとみられるという。
今日のテーマは中国。中国政府が支援に力を入れる「新三様」はEV・太陽光発電・リチウムイオン電池。中でも太陽光発電設備は世界生産の8割を中国が占めている。太陽光パネルの輸出単価がこの1年あまりで半分ほどに値下がりしている。価格急落は国内外の関連企業を苦境におとしいれている。何が起きているのか。
浙江省長興にある工業団地は再生可能エネルギーに関連する企業の工場などが集積している。浙江省にある太陽光パネルメーカーの工場は人の気配がない。今年7月資金繰りが厳しく破綻した。負債総額は330億円あまりに上る。中国では太陽光関連メーカーの破綻が相次いでいる。その背景には中国政府が進める政策がある。再生可能エネルギーの普及を掲げる中国政府は地方政府に太陽光発電の導入目標を設定し、需要拡大を推し進めた。さらにメーカーには工場建設への補助金などを支給。こうした結果、中国での太陽光発電の供給能力は大幅にアップした。ところが、メーカー間の競争の激化は過剰生産につながり、去年の世界の太陽光パネルの供給能力は需要の2.5倍にのぼった。こうした中、メーカーは製品価格の下落に直面。価格急落を背景にある主力メーカーの最終利益は大幅に減少。厳しい経営環境が続く中、今後も淘汰が続くとみている。中国国内で溢れた安い製品は大量に国外へ輸出され、デフレ輸出と呼ばれる事態になっている。
ドイツ東部のフライベルク。人口約4万人の都市でかつては鉱山や精錬業が主力産業だったが、近年は再生可能エネルギー関連の企業を誘致している。しかし、この春太陽光パネルの大手メーカーが工場を閉鎖。低価格の中国製品が市場に流入したことで採算がとれなくなったため。多くの従業員が失業。ヨーロッパの太陽光パネルメーカーで作る業界団体はEUに対し、補助金の拡充など公的支援を求めている。安く輸出される中国製品に対するヨーロッパの懸念にどう応えるのか。今年5月にヨーロッパを訪問した習近平国家主席は「中国の新エネルギー産業は世界のインフレを抑制・気候変動対策にも貢献している」と説明。中国の過剰生産問題は存在しないと述べ、問題を否定。中国の供給拡大に歯止めがかからない中、欧米や日本では、エネルギー安全保障の観点から中国への依存を減らそうという動きも出ている。それでも専門家は8割のシェアをもつ中国は無視できない存在だと指摘する。
取材した下村記者にインタビュー。太陽光パネルの過剰生産で中国メーカーの破綻もでてきており、ビジネス環境は極めて厳しいという。大手メーカーですら業績悪化で人員削減に踏み切るところもあり、業界の危機感は強まっている。こうした中、メーカーの中には家庭用蓄電池分野に参入する企業もある。今年日本市場にも参入し、シェアの拡大を目指すとしている。厳しい経営環境は企業に戦略見直しを迫っている。太陽光発電は中国政府が力を入れる象徴的産業だが、傾くとなるとダメージは大きいと指摘。
北アイルランド沖で繁殖する海鳥が危機。作物を食い荒らすウサギを駆除しようと1980年代に持ち込まれたフェレットやネズミが増えすぎ、海鳥のヒナや卵を襲うようになった。そこで今度はフェレットとネズミの駆除作戦を実行している。犬が一役買っているという。
南太平洋のソロモン諸島沖で巨大サンゴを発見。推定300年以上、長さ32メートル、高さ5.5メートルと最大。難破船が沈んでいると示された場所で偶然発見されたサンゴ、気候変動でサンゴが死につつある中生存し続けてきた巨大サンゴ。研究者は希望の光だとしている。
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- 英国放送協会
トランプ氏の台頭を受けて一部投資家は大統領選前からトランプ氏に関連する銘柄を売買してきたが、当選確実を受けてこの動きは一段と活発化している。ダウ平均株価は一時2000ドル以上上昇し、特にイーロン・マスク氏のテスラは自動運転の規制緩和への規制緩和から買い注文が広がり時価総額は1兆ドルも突破している。マスク氏は政府効率化省のトップとなることも分かっているが利益相反の問題も課題となる。
中国の欧州でのEV事業には変調が見られる。車載電池を手掛ける中国・SVOLTはドイツのフランクフルトの子会社を弊社するとともに、計画していた工場建設を中止するなど欧州事業からは撤退となる見込み。長城自動車もドイツのヨーロッパ本部を閉鎖する方針。背景にはヨーロッパが補助金の廃止を打ち出すとともに、EUとしても中国製EVに対して最大35.3%の関税を上乗せする対応が先月30日から取られていることがある。
タイでは朝と夕方に深刻な渋滞が発生することで知られているが、渋滞による経済的損失や大気汚染を視野に渋滞税の導入が検討されている。1台あたり約180~220円の徴収を検討していて、これに対し高架鉄道の運賃を約270円から一律約90円に値下げする対応を取るという。渋滞税はイギリスのロンドンやシンガポールではすでに導入されていて、今後も制度設計を進めていくという。
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- バンコク(タイ)
オーストリアでは置き配を巡る新たなサービスが始まっている。宅配業者が鍵を開けて置き配業者が家の中に荷物を置くというもので、盗難防止のための置き配サービスが展開されていないことや、再配達を受け付けていないことで受け取れなかった利用者は保管場所へ足を運ぶ麺号が生じる事がある。このサービスはスマートキーというカギをドアノブに付けることが必須となっていて、防犯対策としてどの配達員が家の中に入ったかを確認することも行われている。専門家の小林一幸氏は日本でも置き配を巡るトラブルは聞かれているが、家の中に入る場合も利用者が受容できる丁寧な説明は必要とコメント。
アゼルバイジャンのバクーで行われているCOP29だが、現在は閣僚級会合が行われている。途上国の温暖化対策のための資金についての来年以降の目標額の決定も課題となっているが、16日時点では年に1000億ドル以上という案から年2兆ドルとする案まで、隔たりが見られる。南米アルゼンチンの代表団や、フランス環境相が離脱や不参加を表明する中、最終日の22日までに意見を主役できるかが課題となる。
アフガニスタンからはタリバンがCOP29に出席している。アゼルバイジャンがオブザーバーとして招待したためとなっていて、タリバンの関係者からは再生可能エネルギーを推進したいとの話が聞かれた。気候変動に伴う人道危機のリスクが高いとされるタリバンだが、アフガニスタンでは女性の権利が著しく制限されていることで国際社会からも政権として未承認となっていることが懸念されている。このことから支援の減少による貧困に苦しむタリバンだが、COP参加を通して支援を引き出そうとしているが女性の権利については認めない方針。
トランプ次期大統領が、FCC・連邦通信委員会の委員長に巨大IT企業を強く批判してきたブレンダン・カー氏を起用すると発表した。カー氏は、巨大IT企業に対する規制の強化を主張している。
インド国防省が、長距離極超音速ミサイルの発射実験に成功したと発表した。シン国防相が、インドは選ばれた国々の仲間入りを果たしたと述べた。
国際報道の次回予告。