山肌に果樹園の広がるパレルモは「黄金の窪地」と呼ばれ、レモンとマンダリンオレンジの収穫が行われている。シチリアがアラブ人に支配された9世紀、アラブ人は灌漑農業をもたらして多くの果物を栽培した。パレルモの人口は68万を数え、シチリアでも最大の都市。街には世界遺産の大聖堂もそびえる。アラブ人の支配は12世紀に終わりを告げ、シチリアはノルマンの時代に直面する。ノルマン人はイスラムやビザンティンの文化を取り入れ、アラブ・ノルマン様式という独特の文化を生み出した。街に残る世界遺産・ノルマン王宮はアラブ・ノルマン様式の最たるもので、現在はシチリア州議会堂として使われている。