東京港区にあるソニーグループ本社にはVRゴーグルなどといった様々な商品やサービスを手掛けている。その中でも注目されているのはトリポーラスという素材。トリポーラスはもみ殻が材料となっており、世界で年間1億トン以上排出されており、そのほとんどが焼却処分となっている。そのもみ殻を加工してできた素材の特殊な構造に着目した。従来の活性炭は均一の穴しか無いためにおい分子も限定的にしか吸着できないが、トリポーラスは3種類の異なる穴の大きさがあり、におい物質を始めウィルスやタンパク質も除去することができる。アンモニアをピンク色に染めた液体にトリポーラスを使用した素材と従来の消臭素材を入れて吸着率を比較した。結果は前者はアンモニアを素早く吸着し長時間消臭、しかも洗えば機能は元通りになる。更にこの素材は抗菌力もあるという。この素材がアパレル商品で注目され、インナーといった様々な衣類に使われ始めている。トリポーラスは有機フッ素化合物の除去にも期待ができ、浄化装置が自治体への導入にむけて実証実験が進んでいる。