ミラノ・コルティナ大会までおよそ1年。高梨選手は今も消せない記憶と戦っていた。前回の北京大会の混合団体で日本はメダル獲得が期待されていたが高梨選手はスーツの規定違反で1回目が失格となり、日本は4位に終わった。一時は引退を考えるほど追い込まれながら現役を続ける決断をした高梨選手。しかしここ3シーズンはW杯の優勝はなし。ルール変更や海外勢の台頭に苦しんできた。それでも飛び続けるのは中学2年生のとき大倉山で141メートル飛んだときに見てくださっている方々がすごく楽しそうにジャンプを見てくれている様子を見てジャンプをやっていてよかったと思う瞬間でもあり幸せを感じられたからだという。この週末に行われたW杯札幌大会では舞台はあの時と同じ大倉山ジャンプ競技場で会場には多くのファンの姿があった。表彰台には届かなかったがそれでも1年後に向け目指すジャンプに迷いはない。