独裁的な政権が崩壊したシリアを、ウクライナの外交団が訪問し、長年、前のアサド政権の後ろ盾となってきたロシアの影響力を排除したい意向を強調した。ウクライナ側は支援物資のほかに、戦争犯罪の追及の分野でもシリアに協力する準備があると明らかにし、シビハ外相は会見で、シリアにおけるロシアの存在を排除することは、シリアだけでなく、中東、アフリカ全体の安定にも貢献すると述べて、前のアサド政権の後ろ盾となってきたロシアの影響力を排除したい意向を強調した。これに対し、シリアの暫定政権のシェイバニ外相は、ウクライナとの間では戦略的パートナーシップが築かれるだろうなどと述べ、ウクライナとの関係強化に期待を示した。ただ、これまでに暫定政権側は「ロシアとシリアの間には大きな戦略的利益がある」とも述べるなど、ロシアとの関係も一定程度維持しようとしていることを示唆していて、今後の外交政策に注目が集まっている。