高橋祐介の解説。トランプ大統領はカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課すとともに、中国からの輸入品に10%の追加関税を就任後直ちに課すとの考えを示してきた。日本も同様の関税をかけられる可能性はあるが、日本も含めた一律の関税引き上げについては政権内でまだ準備がかかりそうな状況。日本の自動車メーカーはカナダやメキシコの工場で生産しアメリカに輸出しているので日本にも影響は避けられない。メキシコとカナダを関税引き上げの標的にした狙いは不法移民対策としての国境管理の厳格化とオピオイド(合成麻薬)の取り締まりに協力をとりつけることが1点、もう1つが、貿易協定(USMCA)の見直しをしたいのではとみられている。カナダ・メキシコ両国とも関税引き上げを発動されたら報復関税を実施する用意はあるとしているが、冷静な対応をしている。ただカナダについてはトルドー首相が辞意を表明した後の候補に上がっているフリーランド前財務相が、トランプ政権に毅然とした対応を取るとして支持を集め、標的にされた各国の首脳を招きサミットを計画している。これに対しトランプ大統領は、カナダはアメリカの51番目の州になれば良いと発言している。内外に波紋を広げたトランプ大統領の発言のまとめ。北米最高峰の名称マッキリンリーに戻す、パナマ運河を取り戻す、グリーンランドはアメリカが所有すべき、メキシコ湾の名称をアメリカ湾に、などがある。当初は特有の脅し文句なのではとみられていたが、就任後の大統領令では北米最高峰の名称やメキシコ湾の名称変更にはサインをして正式に実施される。グーグルなどではアメリカ版ではアメリカ湾と表示されそれ以外ではメキシコ湾のままという対応をとっているという。山の名称変更の対象となっている第25代大統領ウィリアム・マッキンリーについて解説。高い関税をかけ国内産業を保護したりハワイ、グアム、フィリピンなど領土拡張を行った大統領。一般知名度は高くないがトランプ大統領は非常に尊敬しているという。アラスカのマッキンリー山は元々先住民の言葉でデナリという名前だったがゴールドラッシュの時代にマッキンリーに変わっていった。アラスカが州に昇格して以降デナリに戻してほしいとの運動があり2015年のオバマ政権時代に元のデナリに名称が戻されていた。共和党の強い地域ではあるが地元の代表は名称変更には反対している。パナマ運河についてトランプ大統領は、通行料が高い、運河の両端にある港湾施設が香港の企業所有になっており中国に対する警戒感があるとされる。グリーンランドについても同様に中国の進出に対する警戒があり、トランプ大統領の威嚇的な発言は中国への対抗意識がある。