アメリカ・ロリンズ農務長官が今週日本を訪れ、小泉農林水産大臣と会談する。大きなテーマがアメリカから日本への農産物の輸出拡大。背景にあるのがアメリカの農家の窮状だ。今、インフレや関税措置に伴う生産コストの上昇、中国向け輸出の減少などで経営に打撃を受けている。今月中旬、アメリカ・オハイオ州で開かれた大規模な農業イベントには農業機械メーカーなどが出展し、10万人以上が集まった。しかし参加者からは厳しい声。農産物などの貿易赤字は2期目の政権発足以降5兆円にのぼり、過去最悪の水準に達していて、トランプ政権は対策を迫られている。ロリンズ農務長官は農業が盛んな地域を周って農家に寄り添う姿勢を強調。輸出拡大に向けて約2億8000万ドルの予算を追加で投じることを決めた。アメリカはイギリスとの関税交渉で、牛肉などの輸出拡大で合意。日本とはコメの75%の輸出拡大などで合意している。こうした動きに期待の声も。カリフォルニア州のコメ農家、ジョージ・ティビッツさんはカリフォルニア米の輸出拡大に活路を見出している。サンフランシスコにあるおにぎりのチェーン店。現在6店舗を展開する金松さんは2008年の創業以来カリフォルニア米を使い続けてきた。適度な粘り気と仄かな甘味がある上、冷めても美味しいという。ティビッツさんの元をコメの生産者組合の役員が訪れた。この役員はロリンズ長官の訪問団の一員として今週訪日する予定だということ。