イスラム教徒が聖地メッカを一斉に訪れる大巡礼のハッジが行われている。サウジアラビア当局は去年熱中症で多数の死者が出た事を受け再発防止策を打ち出した。今年は熱中症だけでなく物価高も心配されている。今年のハッジはアラファト山の山頂で最高潮を迎えた。イスラム教徒が、預言者ムハンマドが最後のハッジで説教を行った場所と信じる場所。イスラム教徒は、財力と健康があれば一生に一度は大巡礼に参加することが求められている。巡礼者はメッカのグランドモスクなど、サウジアラビアにあるいくつかの聖地を訪れることから、大巡礼は信仰生活にとどまらず肉体的にも大変な偉業。去年は50℃を超える気温の中で1300人余りが亡くなった。今年サウジアラビア当局は、大巡礼に参加できる条件について、参加各国の人口の0.1%としている現在の制限をさらに厳しくした。その結果、安全上の理由から12歳未満の子供の参加を禁止、短期ビザの発給を14カ国に対して一時停止した。巡礼の参加資格を得た人も今年は費用がかさむと感じている。ハッジ主催者の話によると、サウジアラビアでは新たに税金が導入された他、国営企業が民営化され以前より費用がかかるようになったという。イスラム教の犠牲祭イード・アル=アドハーで捧げる家畜を海外で売る人々は、物価高騰の直撃を受けている。