いよいよ最大の難関に挑む。立体駐車場の奥の幅6m、高さ3m、重さ9トンの壁を解体する。奥行き7.5mの巨大な穴が手前にあるため前回のような壁倒しはできないという。重機で細かく壁を砕いて梁を取り外す“モハメド・アリ作戦”を行う。難関ポイント2「7.5m離れた壁を安全に解体せよ」。壁側にいる指示者と連携を取りながら重機でコンクリートを砕いていく。オペレーター古川の右足はコンクリートの塊を砕かないように小刻みにペダルを踏みそっと掴む。レバーを操作して内側に引き寄せる。十分引き寄せたところでペダルを踏み込んで粉々に砕く。慎重かつ丁寧な操作を繰り返し壁の内側にコンクリートガラを落としている。粉じんが外にでないようにいつも以上に散水を多くしている。30分後、梁がむき出しに。アームで梁を掴むとガスで切り離す。鉄骨の重さは1トン。狭い場所をギリギリで旋回して見事梁を取り外した。立体駐車場の5階部分の壁は姿を消した。古川は小石ひとつでも落とせない、無事故・無災害が大きな目標だと話した。7月に始まった解体は来年1月末に完了。その後40mを超える新たなペンシルビルが建てられる予定だ。